伝説のシューズとなった初代「Cloudmonster」
初代Cloudmonsterは、私の中で伝説のシューズとなっている。履いた瞬間にシューズの凄さを感じとる事ができ、秒でCloudmonsterの虜となった。結局、初代Cloudmonsterを3足購入し、Cloudmonsterを履いて1,700km以上ランニングをしている。このことから自称” モンスターハンター”と呼ばしてもらっている。
そんな私にとって、Cloudmonsetrの新モデル「Cloudmonster2」が発表された時は、嬉しさと共に、果たして前作を超えるシューズになっているのかという不安も抱いていた。
しかし、モンスターハンター試さない理由はないと思っていた。
レビューについては、初代Cloudmonsterを履き倒した“モンスターハンター”として、Cloudmonster2をハントし、初代との違いも含めて率直に感じたことを書いていきたい。初代との違いをどの記事よりも詳しく書くことを意識したため過去最大文字数となっている。(必要なところだけ読んで頂いても構わない。)
Cloudmonster2基本情報
初代Cloudmonsterとのスペック比較
メーカー | On(オン) | On(オン) |
発売日 | 2024年2月22日 | 2022年3月31日 |
イメージ | ||
名称 | Cloudmonster2 (クラウドモンスター2) | Cloudmonster (クラウドモンスター) |
価格 | 21,780円(税込) | 20,680円(税込) |
重量 | 295 g | 275g |
ドロップ | 6mm | 6mm |
テクノロジー | On史上最大のCloudTec® (記録更新) | On史上最大のCloudTec® |
クッション材 | 2層のHelion™ | Helion™ |
Speedboard® | ナイロンミックス | ポリプロピレン |
カタログスペック上の違いを下にまとめてみた。
大きな変更点はCloudmonster最大の売りであるクッショニングを追求する為、ソール全般をアップデートした事だ。その他の変更点としては、価格微増(昨今の物価高を鑑みると良心的)、重量が20g増えている事だ。
- 初代を超えるOn史上最大のCloudTec®
- クッション材であるHelion™が2層構造になった
- Speedboard®の素材の変更
- 価格の微増(¥1,100アップ)
- シューズ重量20gアップ
カラーラインナップ(5色展開)
Onのシューズの良い点の1つが、お洒落なカラーラインナップである。今回はシンプルなカラーリングで、春のランニングにぴったりな明るい差し色が入ったものだ。
これまでOnはメンズとウィメンズで異なるカラーラインナップを出していた。しかし今回はメンズ、ウィメンズ共に同色のカラーラインナップで5色展開となっている。
これで、待望の夫婦お揃い(同色)のOnシューズでランニングする事ができる…。…。…!?(事実、Cloud5は妻と同色のお揃いを持っている。)これまで、メンズ、ウィメンズ同色展開を希望されている人も多かったと思うので、その方達にとっては吉報だ。この春は、パートナー、家族でお揃いのシューズでランニングが可能だ!
初代が発売された時はメンズ、ウィメンズ2色展開で、それぞれ違ったカラーラインナップであった。今回は初期段階で5色展開なので前作の反響がいかに大きが伺える。
サイズ感 (※要注意)
基本的にはハーフサイズ下を購入することに賛成
On公式サイトや他のレビューにも書いてあるが、今回のCloudmonster2を購入する際はサイズに注意してほしい。基本的に、ハーフサイズ下を購入する意見に賛成だが、もう少し詳しく言及しておきたい。
上の写真は、Cloudmonster2とCloudmonster同じ27.5cmを並べたものだ。本当に同じ27.5cmなのかというくらいCloudmonster2の方が大きい。Cloudmonster2の27.5cmを履いた時、明らかに大きいと感じた。
必ず試着をして欲しいCloudmonster2
今度は、Cloudmonster2をハーフサイズ下げた27.0cmとの比較だ。写真は真上から撮ったが、ハーフサイズ下げてもCloudmonster2の方が大きく見える。実際、足入れした時は見た目ほど大きくは感じなかった。
ここからが、今回サイズ選びで言及したいポイントだ。
Cloudmonster2をハーフサイズ下げた事により、ワイズ(幅)が初代Cloudmonterの27.5cmより若干狭い印象を受けたのだ。
幸い私は、支障をきたす程の違和感を感じなかったため27.0cmを選んだが、人によっては、ハーフサイズ下げずに初代と同じサイズを選んだ方が良い場合もありそうなのだ。
よって、今回のCloudmonter2を購入される方は、実店舗で試着して購入することをお薦めする。近くに取り扱い店舗がなければ、【On(オン)公式】 であればサイズ交換が可能なので万が一の時の為、On公式サイトで購入することをお薦めする。
シューズ重量実測値公開
Cloudmonterファン及び多くのランナーの関心事の1つとして、カタログ値で重量増となっているCloudmonster2のシューズ重量実測値だろう。
Cloudmonster2(27.0cm)VS Cloudmonster(27.5cm)どちらが軽い?
今回は、前述の通りCloudmonster2のサイズはハーフサイズ下げた27.0cmである。よってCloudmonster2(27.0cm)と初代Cloudmonter(27.5cm)の比較となる。
初代Cloudmonster(27.5cm)の実測値は283gであった。
気になるCloudmonster2(27.0cm)の実測値は294g…!!!!???
ハーフサイズ下げてもCloudmonster2の方が重い結果に
カタログ値では20gの増になっているが、ハーフサイズ下げた事により11gの増に留まった。しかし、個人的には、ハーフサイズ下げた事により初代と同等若しくは軽量になっていないかと淡い期待をしていたが、微増であった。この点は正直残念な点だ。
カタログ値は初代より重量増(20g)となっているが、実測値でもCloudmonster2の方が重かった。しかし、ハーフサイズ下げた事により重量差は11gとカタログ値よりも開きが小さかった。
「Cloudmonster2」の外観(初代との比較)
ミッドソール部分
Cloudmonster2で大幅にアップデートされた点といえば、走りを左右するミッドソールだ。ミッドソールはランニングシューズの履き心地を大きく左右させる肝の部分と言っていい。当然Cloudmonsterでも肝の部分であり、ミッドソールの変更が良し悪しを決めると言ってもいい。
ミッドソールがアップデートされた点は次の通りだ。
- 初代を超えるOn史上最大のCloudTec®
- クッション材であるHelion™が2層構造になった
- Speedboard®の素材の変更
On史上最大のCloudTec®
Onの代名詞とも言えるCloudTec®は、Cloudmonster2になり更に大きさが増した。
初代(27.5cm)のCloudTec®の穴の最大値は、10.0cmだったのに対しCloudmonster2(27.0cm)は10.3cmであった。(実測値)CloudTec®はその構造から、衝撃を吸収し、足への負担を減らす役割を担う。よって、初代と比べ衝撃吸収力も増していると考える。
2層構造となったクッション素材のHelion™
Cloudmonster2の大きなアップデートした点の1つとして、クッション素材Helion™が2層構造となった事だ。1層目は、前作同様CloudTec部分(ミッドソールの色が白)で、2層目は前足部に施されている材質(色)が違う部分の事だ。(ミッドソールの色がクリーム色)
この2層のHelion™は、それぞれ密度が異なり1層目より2層目の方が軽量で反発性が高いものになっている。これにより、衝撃吸収をしつつ、初代と比べ同じエネルギーでも反発性が高く推進力が増すとされている。
アップデートされたSpeedboad
また、1層目と2層目のHelion™の間にSpeedboadを挟み込む事により衝撃吸収力がアップし、長距離ランの負荷を軽減できるようだ。このSpeedboadもアップデートされておりナイロンが配合され、より高い反発性が期待できるとされている。
アウトソール部分
大きな変更点は無し
アウトソールは、ミッドソールと比べ大きな変更点は無い。
全体的なデザインは、初代を踏襲している。変更点としては、アウトソールのパターンが変更されているのと、前足部のアウトソールの外周がつながっている点くらいだろう。
Cloudmonster2は小石対策も万全
正確にいえば、ミッドソールの改善点ではあるが、シューズの裏側の為、アウトソールのアップデートとして紹介させていただく。
初代Cloudmonsterは、Speedboadが剥き出しでこの窪みに小石が挟まる事が多々あった。写真は、初代Cloudmonsterのソールの裏だ。小石が挟まった事によりSpeedboadに傷が入っている事がわかると思う。
Cloudmonster2ではこの部分が改善され、Speedboadがミッドソールの中に埋め込まれている。(最近のOnのランニングシューズは、小石対策がしっかりされているが、過去1番小石が挟まりにくいシューズにっている。)
実際、初代Cloudmonsterで小石が挟まりやすかった未舗装路コースを数回走ってみたが、小石が挟まる事はなかった。ランナーのフィードバックを受けOnがランニングシューズ全般に改善をしたのだろう。
アッパー部分
前足部
アッパーの構造は、初代同様2層構造となっており、前足部アッパー部(外側)のデザインも酷似していた。
今回、アッパーのメッシュ部分は100%リサイクル素材が使われているようだが、手で触っただけでは初代との違いがわからなかった。初代同様、通気性抜群で、足入れもスムーズであった。
側面部(外側)
側面部(外側)もパッ見だと初代との区別がしにくい。1番わかりやすい見分け方が側面の文字の部分だ。初代の「CLOUDTEC®︎」から「ON RUNNNING」に変更されいる。
側面部は大きく3層構造となっており、1層、2層は固めの素材だ。後述するが、その構造によりヒールカップのホールド力が格段に上がっている。
側面部(内側)
Cloudsurfer、Cloudeclipseと同様、側面部(内側)にOnマークがデザインされている。Onマークは反射材が使用されている。
シュータン
シュータンの作りは、初代と大きな変更は無い。若干内側のメッシュの穴の大きさが大きくなっているので快適性が増していそうだ。そして、2層の素材の組み合わせか、シュータンの柔らかさはCloudmonter2の方が上回っていた。
ヒールカップ部分
ヒールカップのホールド力は、初代を大きくアップデートしていると感じた。
踵をしっかりホールド
その理由として考えられるのは、前述したアッパー素材の構成だろう。初代は、色がついた下から1/3部分が硬い素材であったが、Cloudmonster2では、2/3硬い素材となっている。しかし、内側の踵が当たる部分は初代同様の素材が使用されているため足あたりが良いので安心してほしい。
初代より約5mm高くなった
ヒールカップの高さも初代より5mm程度高くなっている。同じ場所をノギスで計測した結果だ。ノギスの特性上数値=実際のヒールカップの高さではないが、初代との比較としては正確な数値と考えていただいて大丈夫だ。
ヒールカップのクッション素材は初代同等
ヒールカップ内側のクッション素材は初代に比べ若干厚くなった。(実測値2.5mm増)しかし、素材の大きな変更はないように思えた。初代で全滅したヒールカップ内側の耐久性はCloudmonster2でも変わらない可能性がある。
ヒールカップは、アップデートされた事でホールド力が向上している。これによりより快適にランニングを行うことが可能だ。
シューホール部分
大きな変更点は2つ
シューホールも初代からアップデートされている。アップデートされた部分はシューホールの数と、構造(デザイン)だ。
まずはシューホールの数についてだが、初代の5個に対して、Cloudmonster2は6個となり1個増えた形になる。これにより、フィット感の向上が期待できる。
次に構造(デザイン)も異なる。初代は、アッパー裏側の補強素材と同質のものが使われていたが、Cloudmonster2はCloudeclipseのような紐状のシューホールとなっている。構造だけ見ると初代の方が凝った作りのように思える。シューホールの数は変わったものの、全体の位置は初代を踏襲している。(シューホールの位置が左右非対称)
デザイン変更により感じた事
シューホールのデザイン変更により、より好みのフィット感(締め付け感)に調整しやすいと感じた。また、靴紐を緩めて靴を脱ぐ時もスッと緩まりストレス無く靴を脱ぐことができる。
Cloudmonster2のレビュー
Cloudmonster2で150km走った現時点での感想を書きたいと思う。
歩くだけでも推進力の恩恵を受けることができる
Cloudmonster2を履いてまず感じたのが、足が自然と前に出るなという事だ。
これは2層になったミッドソールの恩恵だと考える。スピードに関係なく着地した足が自然と前に出るのだ。カーボンプレート入りのシューズの場合、ある程度のスピード(踏み込む力)がなければ推進力が生まれないがCloudmonster2は極端にいうと歩くだけでも推進力の恩恵を受けることができる。
また、この推進力の違いは、初代と感覚が少し違う。
初代は、クッションニングのリターン力で推進力を生み出している感じを受けたが、Cloudmonster2のそれは、明らかにクッショニングのリターン力より強い力が加わっている。初代と比べるとカーボンプレートのシューズに近い推進力を感じた。(前述の通りスピードに関係なく推進力を感じることができる。)
クッショニングは硬め
次に感じたのは、CloudTec®のクッショニングの印象が初代と異なるという点だ。
Cloudmonster2の方が硬く、初代のようなフワフワした感じではなかった。もう少し詳しく書くと、ヒール側のクッショニングは、初代のそれと似ているが、前足部は2層になったミッドソールにより、硬めの印象を受ける。
よってヒールストライク気味の人は、初代のクッショニングと似ている印象を受けるかもしれないが、フォアフットの人は硬めの印象を受けるだろう。しかし、逆にフォアフットの人は初代とは比べ物にならない反発力を感じることができると思う。
初代が好きな人は、フワフワしたクッショニングが好みの方も多いだろう。私もその一人だ。しかし、初代同様のクッショニングであると、2層にしたミッドソールの良さが失われる気がして走り込むうちにCloudmonster2の良さを感じるようになった。
自然と走る距離が伸びる!
クッショニングの質の違いがあれど、自然と距離が伸びるのはCloudmonster2も同様である。今回は、10kmのランニングの予定が20km走ってしまった。今回のシューズの1番の良いところは、足に優しいけれど、しっかり反発してくれる推進力だ。わざと踏み込み反発力を楽しんでいると自然に距離が伸びる。
また、今回クッショニングは硬めの印象を受けるが、脚への負担が少ない点と、走っていて「楽しい」と思える点は、初代譲りと言えるだろう。
フィット感は初代から大きく向上
フィット感は、新しくなったヒールカップとシューホールを増やす事で初代を大きく上回っていると感じた。特にヒールカップのホールド力の向上の恩恵が大きいと考える。
シューズ全体のサイズ感も、ハーフサイズ落とす事で当初若干アッパーのワイズがタイトな気がしたが、実際走ってみると初代以上にフィットしている。当初の懸念は、実際走ってみると払拭されたばかりか寧ろ好印象に変わった。(個人的にはシンデレラフィットと思っている。)
ちょっぴりレーシーな仕上がり
初代と比べ、ちょっぴりレーシーな仕上がりになっている。
具体的には、フィット感の向上と反発力の向上だ。初代モンスターは一定以上スピードを上げるとCloudTec®が沈み込みすぎリターン力が弱く感じるポイントがあったが、Cloudmonster2は初代以上にスピードを上げても反発力を感じる仕様になっている。
個人的には、サブ3.5〜4ランナーの決戦用シューズとして、またミドル以上のトライアスロンにもおすすめできると考える。
私が今、トライアスロンのミドル(ロング)以上のレースに参加する場合ランニングシューズを選ぶとすればCloudmonseter2にするだろう。調子が良ければ初代では物足りなく感じることもありそうだが、Cloudmonster2ならどのようなコンディションでも受け止めてくれそうだ。(調子が悪くてもリターン力の恩恵を受けることができる。)
クッショニングの質は初代と変わったが、走っていて「楽しい」という感覚と、どこまでも走っていけそうな脚に優しいクッショニングは初代を踏襲している。
また、フィット感が増した事によりレースでの着用にも向いているシューズだ。
Cloudmonster2は、亜種モンスター!!
今回は、初代モンスターハンターとして、今回Cloudmonster2のレビューを書いてみた。初代の進化版というよりは、少し方向性を変え(もちろんコンセプトに大きな違いはない)アップデートしたシューズといえる。
Cloudmonsterという看板(イメージ)は持ちつつ、Cloudmonster2独自のアイデンティティを兼ね備えている。
ゲームのモンスターハンターをプレイした人にしか共感してもらえないと思うが、Cloudmonster(無印)と比べCloudmonster2は、G級モンスターになったというよりかは、亜種モンスターの位置付けのシューズだ。
Cloudmonster2は、初代のインパクトが大きすぎて不安な点もあったが、2024年を代表する1足になると考えている。
On公式サイトでも購入可能
Onのシューズやアパレルは、【On(オン)公式】 でも購入可能だ。
私もOn公式で購入するときがある。個人的にはアパレルの種類が実店舗や大型ECサイトより豊富なため良く活用している。また、ラストチャンス(過去シーズンのアイテム)で自分のサイズがあればかなりお得にOnのアイテムを手に入れる事ができる。
私は過去、スウェット、ランニングパンツ、タイツ等セール価格で購入する事ができた。シューズのサイズの在庫が豊富なことやサイズが合わない場合返品・交換が可能なことも【On(オン)公式】 の強みだ。
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