今回紹介するROKA(ロカ)のゴーグル「R1」と「X1」。両モデル共にトライアスロンやOWS(オープンウォータースイム)に対応する為に設計された海専用モデルだ。
今回、実際に試用する機会を頂いたので、レビューしてみようと思う。
ROKAのハイエンドモデル「R1」
評価:4.5点(5.0点満点中)
ROKAのハイエンドモデルである「R1」。ROKAの公式HPでもレース用と銘打っており、プロトライアスリートもレースで着用しているモデルがこの「R1」になる。
私の好きなプロトライスリートのフローラ ダフィもこのゴーグル(というよりROKAのウェットスーツのロゴのイメージか。)を着用している。
最小限のヘッドアップで前方確認が可能
特許取得済“RAPID SIGHT”
トライアスロンのスイムとプールでのスイムで明らかに違う点がある。それは、ヘッドアップの有無だ。トライアスロンの場合、自分が泳いでいる方向が合っているか泳ぎながら確認する必要がある。その確認する方法がヘッドアップである。
この「R1」は特許取得済のレンズ設計により最小限のヘッドアップで前方の確認が可能にしている。
何故最小限のヘッドアップで前方が確認できるのか?
それではレンズの設計をもう少し詳しく説明しよう。ゴーグルの上部フレームをスリムにする事により、フレーム上部の方が目に近く、フレーム下部へ向かうに従い遠くに位置するように設計されている。この計算されたデザインが、前方向の視野を拡大させ最小限のヘッドアップで前方確認する事ができる。
前方確認が本当に楽だった
実際に使ってみると、説明文を読んで頭で理解するよりも簡単にヘッドアップでの前方確認が他のゴーグルより優れている事が分かった。この「R1」のレンズサイズは正直他メーカーのトライスロン専用モデルより小ぶりな印象だ。しかし、前方の確認は今まで使用していた他メーカーのゴーグルを凌駕している。
プールで2回、海で2回、レースで1回この「R1」を使用させて貰った。感覚的ではあるが、頭の位置が5cm水面に沈んでいてもしっかり前方を確認する事が出来た。
Don’t think, feel! (考えるな、感じろ!!)
正にそんな言葉が似合うゴーグルだ。
多彩なレンズカラー
「R1」は多彩なレンズカラーが用意されている。正直、レンズカラーが多すぎて迷ってしまう。今回も送付されてきたゴーグルの種類の多さにびっくりした。
実は今回の星-0.5点は、この多彩なレンズカラーが原因だ。ラインナップが豊富であるが故に消費者を逆に迷わせてしまう。しかし、水質、天候によってレンズカラーを変える事が必要な為、使いこなせる(選びこなせる)人には重宝するだろう。
レンズカラー紹介(Clear Lens)
レンズタイプは大きく分けてクリアレンズとミラーレンズの2種類ある。
クリアレンズの種類は上記の4種類だ。
レンズカラー紹介(Mirror Lens)
ミラーレンズも4種類のランナップが用意されている。ミラーレンズの見え方についてはクリアレンズと違ってイメージしづらいと思う。各ミラーレンズの見え方については後で説明したいと思う。
「R1」のレンズカラーの種類は、クリアレンズ4種類、ミラーレンズ4種類の合計8種類となっている。この種類の多さは嬉しい反面、迷ってしまう側面もある。
ゴーグルのストラップの調整方法
ゴーグルのストラップの調整方法は写真の通り。左右の紐を引っ張り調整をするロッククリップを採用している。ストラップは、ダブルストラップでフラット状のシリコンが使用されている。長時間のスイムでもゴーグルの紐で頭が痛くなる恐れは少ないと感じた。
フィット感
張り付くようなフィット感
このROKAの「R1」を装着したときに、他のゴーグルと比べて顔にフィットするなと思った。決してストラップを強めにはしていないけれど、顔からゴーグルがズレたり、落ちたりする心配をしなくて良いという安心感があった。
柔らかいガスケット素材
フィット感の秘密を考えた時に、レンズのデザインもあると思うが、ガスケットの素材が他メーカーのゴーグルより柔らかい事に気づいた。このあたりの素材の使い方もROKAは考えて作られているのかもしれない。
ミラーレンズの見え方の比較
今回せっかく全てのミラーレンズを試す機会を頂いたのでそれぞれのレンズの見え方について比較してみた。できる限り同じ条件下での写真にした為レンズの見え方がイメージしやすいと思う。
Grey mirror(グレーミラー)
直射日光が強い場面で使用したいグレーミラー。逆に曇りや雨、水質が悪い海では控えた方が良いと感じた。
Vermillion mirror(バーミリオンミラー)
ピンクっぽく見えるバーミリオンミラー。
Cobalt mirror(コバルトミラー)
ブルーっぽく見えるコバルトミラー。ミラーレンズの中では1番汎用性の高いレンズだと個人的には感じた。(見え方の好みもあると思う。)
Amber mirror(アンバーミラー)
オレンジっぽく見えるアンバーミラー。
お薦めのレンズカラー
クリアレンズ(Cobalt)
クリアレンズの中ではコバルトレンズが1番好みであった。ブルー系ではあるが、クリアレンズなので直射日光さえ強くなければ万能で使えるレンズと思った。他のクリアレンズも癖が無く使いやすかった。以外?にも次にしっくりきたのはオレンジ系のLight amberだ。この色は後述する「X1」にもカラーラインナップがあるが個人的にはお気に入りのカラーだ。
ミラーレンズ(Cobalt mirror)
クリアレンズに続きミラーレンズでもブルー系のコバルトミラーが1番しっくりきた。(完全に好みかもしれない。)汎用性が高いモデルと思う。次は、バーミリオンミラーだ。ミラーレンズを複数購入するのであれば、コバルト、バーミリオンの2色買いをしたいと思った。
プロが使用しているアイテムが手に入る
ROKAのハイエンドモデル「R1」はトッププロ達も愛用しているゴーグルだ。そのゴーグルを数千円で購入できるのは考え方によっては安いかもしれない。
ハイエンドウェットスーツは10万を軽く超える時代になったし、ロードバイクは。200万円に届く勢いで値上がりしている。その中で比較的簡単にトッププロと同じものを使えるアイテムがゴーグルだ。レースで使用するゴーグルに迷ったらROKAの「R1」を是非検討してみてほしい。
OWS用ゴーグル「X1」
評価:3.5点(5.0点満点中)
次に紹介するのは、OWS用ゴーグルの「X1」だ。個人的に凄く気になっていたモデルだけに使用できて大変光栄だった。
とにかく大きいレンズ!
まず、「X1」の特徴と言えばこの大きいレンズだろう。「R1」は小ぶりなレンズサイズでもレンズデザインにより広い視野を確保していたが、「X1」は物理的にレンズが大きい事により十分な視野を確保している。
視野の広さだけで言えば他のトライアスロンゴーグルを軽く凌駕するのでは無いかと思う。
「X1」を使いたい場面
「X1」はとても良いゴーグルだと思う。しかし、トライアスロンレースで「R1」,「X1」どちらのゴーグルを使用したいかと問われると「R1」と答えるだろう。
理由としては、大きいゴーグルが故にバトルに巻き込まれた場合ゴーグルが外れるのでは無いかと少し心配だからだ。(外れる可能性は低いと思うが「R1」のフィット感が良かった為そう思ってしまうのかもしれない。)
私なりに「X1」を使いたいシーンを考えてみた。
長時間の海練習
長時間海で練習するには「X1」は良い選択と思う。物理的なレンズの大きさにより十分な視界が確保でき、目への負担は少ないと感じた。
またストラップもスプリット・ストラップが採用されている。太めのストラップの為、締め付けによる頭痛は発生しにくい。
バトルの恐れが少ないレースやOWS
スイムが苦手で、トライアスロンやOWSのレースに参加しても、バトルに巻き込まれにくい後方からスタートする人にも「X1」は良いと思う。スイムな苦手な人は、ヘッドアップのテクニックもそこまで上手くないと思うので物理的にレンズの大きい「X1」はおすすめだ。但し、周回コースの場合はバトルに巻き込まれる可能性があるので注意してほしい。
海水浴用にも最適
「X1」は、海水浴で使用する水中眼鏡の代用もなりそうだ。そのくらいレンズが大きい。
レンズカラー
「X1」のレンズカラーは3種類だ。いずれもクリアレンズで、ミラーレンズのラインナップは無い。
お薦めのレンズカラー
LIGHT AMBER
「X1」はクリアレンズの為どれを選んでも問題ないと思う。中でも良いと思ったのは、「R1」でも好印象であったブルー系のCobaltに加えてオレンジ系のLIGHT AMBERレンズだ。視界も良好で見た目もポップで可愛い印象だ。
最後に
今回、ROKAのゴーグルを1度に13種類を使用させて頂く機会を与えてくれたウィンクレル株式会社様には感謝しかない。貴重な体験をさせて頂いた。これからトライアスロンを始める方、レース用にゴーグルを新調される予定の方には是非「R1」を候補に入れてもらえたらと思う。
また、「X1」も使うシーンを選べばストレス無く泳ぐ事が出来るゴーグルだと思う。レース用とは別に海での練習用に「X1」いかがだろうか?