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【レビュー】科学的データ分析により導かれるバイクフィッティングサービス「idmatch」を受けて感じた事

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今回は、4月にバイクフィッティングサービス「idmatch」を受けて来たのでその感想を書きたいと思う。

私は、奈良県にある「ファルコンサイクル」さんにバイクフィッティングサービスをお願いした。西日本で唯一idmatchを受ける事ができるお店だ。

idmatchの認知度は徐々に増えており、気にっている人もいるのではないだろうか。そのような人に向けて今回私が感じた事を展開できればと思っている。

「idmatch」とは?

まず、「idmatch」について簡単に説明したいと思う。他のバイクフィッティングサービスとの違いも合わせて紹介していこう。

「idmatch」のフィロソフィー

「idmatch」のフィッティングを受けるにあたり注意点がある。それは、idmatchの導きだすポジションの定義(哲学)だ。

パフォーマンスの持続に重点をおいている

idmatchは、パワーの増加を目的としたフィッティングでは無い。身体に負荷をかけず、疲れにく、そのポジションを継続しやすいよなポジションを導き出してくれる。よって、瞬発的(短時間)に高出力を出すようなポジションではなく、一定の出力を長時間維持できるようなポジションを導き出すのだ。

この考えに賛同できないのであれば「idmatch」を受ける必要はないだろう。

最先端の測定システム

3Dスキャンで身体を計測

idmatchは、写真のような測定システムを利用して行う。3Dスキャンを行いフィッティングマシンが自動的にポジションを導いてくれるのだ。

マーカーレス

他のバイクフィッティングサービスでは身体の関節部分にマーカーを貼りその動きをマシンが読み取る方式が多い、しかしこのidmatchは、マーカーレスの為体に何もつけない状態でフィッティングを受ける事ができる。

随時アップデートされるシステム

idmatchは、日々アップデートされている。最新のフレームやパーツなどもどんどんシステム内に反映されている。よって、気になる最新フレームで自分のポジションを出す事ができるか、気になっているサドルが自分の身体に合っているかなどを調べる事が可能だ。

但し、全ての車種やパーツが登録されている訳ではないので注意して欲しい。(因みに私の愛車であるShiv discはシステム内にはなかった。)

計測時間が短い

他のバイクフィッティングサービスと比べ計測時間が短いのも「idmatch」の特徴だ。従来のフィッティングサービスは計測に数時間を要する。(少なくとも半日は覚悟しておいた方が良い。)

今回、私はロードバイクとTTバイク2台のフィッティングをお願いしたが、2台のフィッティング及び実車への反映、ポジション変更後の試走全て含めて2時間45分で終了した。※私の場合TTバイクのハンドルバーのカットも依頼したので通常より実車セッティングに時間を要している。

ポジション算出まで僅か15分

フィッティングマシンに乗って計測する時間は僅か15分だ。マシンが計測中ライダーはケイデンス60回転をキープしてペダリングを行うだけだ。ペダリングを続けているとマシンが自動的にハンドルやサドル位置を変更して最適なポジションを導いてくれる。

フィッティング完了まで1時間程度

フィッティングの流れは、ヒアリングから各種計測、クリート調整、ポジション算出まで1時間程度で終了してしまう。

最適なパーツを提案してくれる

「idmatch」は計測結果を基に最適なパーツ(サドル、クランク長、ハンドル)を提案してくれる。決してそのパーツを押し付けでは無く推奨してくれるのだ。

頭の良いシステム

今回の計測により私の最適なクランク長は172.5mmと判断された。しかし、実車についているクランク長は170mmだ。クランクは高額で中々買い替える事ができないアイテムである。しかし、idmatchはとても頭の良いシステムなので、クランク長170mmを使用した場合の最適解も導き出してくれる。よって、現在のパーツを交換しない範囲で最適なポジションに変更する事が可能だ。

フィッティングを受けてみての感想

「idmatch」のフィッティングの手順

①現状のヒアリング

まず、フィッティングを受けるにあたり現状のヒアリングから始まった。現在のポジションでの気になる点、違和感、怪我の経歴や過去やっていたスポーツ等詳細にヒアリングを受けた。私の場合は、たまにクランクにシューズが当たるのが気になっていたのでそれを報告した。

②センサーによる身体測定

次に、センサーによる身体測定が始まった。指示された通りセンサーの前に立ち、3パターンの動きをスキャンするだけで身体の色々な部分の測定を行うことができる。この時の身体測定は、idmatchの特徴でもあるマーカーレスにより身体にセンサーを取り付ける必要はなかった。

③適正なクリート位置の算出

適正なクリートの位置も算出してくれる。専用の装置で足の母子球の位置を確認し、ティルトメーターを使用して足の傾きを計測する。この時は、足にマーキング(消しやすいペンで)された。

クリートの位置はレーダーで明確になっているので、感覚的なフィッティングではないのも画期的といえる。

④推奨ポジションの算出

クリート位置の算出を終えクリートの位置を変更すると初めてシミュレーターに乗りペダリングを行う。

ペダルはできる限り60rpmをキープしながら一定期間継続する。計測時間は10〜15分程度でその間、ハンドル位置やサドル位置が自動で変更され最適なポジションを導いてくれる。

リアルタイムで関節角度などが投影される。

⑤データ化(数値化)される

ポジション算出を終えると、データ化されリンクされているPCにそのデータが送られてくる。上の写真は、「idmatch」で推奨される、サドルタイプ、ハンドル幅、クランク長になる。

⑥導かれたポジションを元に実車を調整

「idmatch」により導かれたポジションを実車に反映していく。今回はパーツを変更する事なくできる限り最適なポジションになるように調整していただいた。

ロードバイク編

測定結果

「idmatch」が導き出したポジションは、実車と比べサドル微高、リーチ長、サドル微前の結果となった。正直ポジションにそこまでの拘りがないので今回「idmatch」が導き出したポジションで暫く乗ってみたいと思っている。

計測結果で分かったこと(驚いたこと)

計測結果に私は驚いた。驚いた順に発表していきたい。まずはハンドル幅だ。今まで44cmを使用していたが、「idmatch」が導いた最適なサイズは40cmだった。なぜ今まで44cmを使用していたかと言うと、Madone9を購入する際に別のフィッティングサービスを受けた際推奨されたサイズだったからだ。過去受けたサービスの時の自分の体型やパフォーマンスも変わっていると思うが、ハンドル幅4cmの違いは大きい。

次は、クランク長だ。「idmatch」が導き出した答えは172.5mmだった。一般的に私のサイズに付いている完成車のクランク長は170mmが多いと思う。また、過去167.5mmに変更しようと思った事はあっても、172.5mmに変更しようと思った事はなかったので、この測定にも驚いた。

次はサドルだが、自分のタイプはS1というもので、坐骨の幅が狭く、ライド時に骨盤の前傾が少ない人のようだ。このタイプは今流行りの穴あきサドルは適さないとことでサドルのチョイスに苦労しそうだ。

TTバイク編

今回のフィッティングの1番の目的は愛車「Shiv disc」のポジションの確認であった。TTポジションを取った時のペダリングに感覚的なものであるが、違和感(窮屈感)があったからだ。

TTバイクのポジションの肝は肘の位置だそうだ。(エアロバーの突き出しの長さや、角度は好みによるものが大きいそうだ。)

ロードバイクと同様に60rpmで15分程度ペダルを回していると勝手にポジションを導き出してくれる。

トライアスロンのポジション設定は2種類

トライアスロンのフィッティングを行うにあたり最初に2種類から設定を選択する必要がある。それは、ショートかロング(Iron Man)かだ。バイクに乗る距離が大きく異なるためポジションも異なるのだ。私は、ミドル・ロングでの使用を目的としているので、ロング(Iron Man)仕様でお願いした。

Iron Man仕様の方が長時間のライドに耐えられるように、よりコンフォータブルなポジションになるようだ。

測定結果

測定結果だが、パッド位置が1cm低くなりサドルはより後ろに下げる結果となった。ポジション変更後のライドした感覚は、明らかにポジション変更前より「しっくり」きた。これは乗った瞬間に感じる事ができた。

フィッティング後は現車のポジション変更

フィッティングにより、最適なポジションが導き出されたら、それを現車に落とし込んでくれる。現車に落とし込む際もレーダーにより設定されたボジションから狂う事は無い。(実車のポジションが許す限りだが。)私のShivの場合「idmatch」では後1cm程度サドルを後ろにする必要があったが、構造上(シートポストを変えない限り)無理でできる限り下げていただいた。

そのサドルの位置を起点にパッドの位置も調整していただき設定は完了した。

高額なパーツを買うより「idmatch」を受けるべき

今回「idmatch」フィッティングを受けた率直な感想として、「高額なパーツを買う予算があるならまず、「idmatch」を受けるべき。」だと感じた。

高額なパーツを買う前に「idmatch」を

購入した高額パーツがダメになるかも…

今回の「idmatch」フィッティングによると、現在ロードバイクについているハンドルサイズとサドルの種類が最適では無いと判断された。因みにロードバイクについているハンドル、サドルの各パーツは1つ3万円は下らない。(泣)

せっかく高額なパーツを購入するのであれば、1ターン遅らせてでも「idmatch」で自分にとって最適なパーツを選ぶ地図(指標)を得るべきだと考える。

後述するが、私は今回のフィッティングを受け、ハンドルとサドルを交換した。交換したハンドルとサドルは今でも販売されておりその価格の総額は10万だ。(当時の価格で6.7万円だが。)みなさんには、このような悲しい目にあって欲しくない。

「沼」からいち早く抜け出す道標

ロードバイクに限らず趣味の世界には必ず「沼」というものが存在する。これは、サプライヤーが仕組んだ罠だ。尖った味方をすれば、サプライヤーが購買意欲を高める為に、消費者をあの手この手でアプローチしているのだ。

この「沼」から抜け出すにも「idmatch」は有効だ。数値、統計を持って自分に最適なパーツ(種類)を導いてくれるからだ。

「idmatch」フィッティングを薦める理由

吉田隼人さんの一言

フィッターの吉田さんの一言が心が響いた。

「サイズの合わない(高い※勝手に意訳)ハンドルを使うよりも、サイズが合った安いハンドルの方が速くなる。」

正に「idmatch」フィッティングを薦める理由の根幹が凝縮されている。自己満足で高いパーツを購入するよりも、安くても自分に合うパーツを使用する方がパフォーマンスの向上が望めるのだ。

完成車(フレーム)購入前にも「idmatch」を!

今回のShivの例をとってもわかると思うが、「idmatch」のポジションが全ての実車で再現できるわけではない。(Shivの為に一言付け加えるが、私はオフセット0mmのシートポストも持っている為再現は出来る。)ロードバイクにはご存知だと思うがサイズ設定がある。購入サイズが間違っていれば、そのフレームだと「idmatch」の最適なポジションが再現できない場合がある。よって、完成車(フレーム)を購入する前にも「idmatch」のフィッティングをするのをおすすめする。

フィッティングによりパフォーマンスが向上

400mmの安いハンドルを購入

今回のフィッティングにより私の最適なハンドル幅は400mmと判明した。お小遣い制のサラリーマンの私にとって、フィッティング後に高級なハンドルを購入する資金は持ちあわせていない。よって今回完成車に付いているような鉄製のハンドルバーをフリマサイトで購入した。(1500円で購入)「idmatch」の効果としてまたレビューをしたいと思うが、感触としてはかなり良い。ハンドル交換後はロードバイクのエアロポジションの姿勢が以前取りやすく結果、エアロポジションでの巡航が多くなり平地でのスピードが増してた。

サドルもS1に交換

サドルもS1サドルに交換した。このサドルの予算の都合上1番安いモデルのものを選んだ。(9,000円で購入)前述のハンドルとサドルの交換により車体の重量は約350g増量した。(この重量増を伴うパーツ交換は「idmatch」の導きがなければ絶対に行わないだろう 笑)

FTPの数値も上がった

現在、宮島トライアスロンに向けてロードバイクばかり乗っている。フィッティング後、ハンドル、サドルを交換したが、感覚だけでなく数値でも「idmatch」の効果が現れた。それはFTPの数値も11w増えたのだ。これは、トレーニングの積み重ねの結果とも受け取れるが、フィッティングを受け、ポジションを変更してから(約1ヶ月)のことなので「idmatch」のお陰と言わざるを得ない結果だ。

レース志向以外の人もフィッティングするべき

また、「idmatch」はレース志向以外の人にもおすすめできる。「idmatch」のフィロソフィーは、パフォーマンスの低下をより抑える事だ。ロングライドをより快適(楽)に走りたい人にも「idmatch」の恩恵は必ずあるといえる。

最後に

△フィッターの吉田隼人さんと記念撮影

今回は、(勢いもあったが、)「idmatch」フィッティングを受ける為にファルコンサイクルさんに伺った。とても感じが良く相談も真摯に乗ってくれた。現時点で西日本で「idmatch」を受けれるお店はファルコンサイクルさんしかないので、西日本の人は是非ファルコンサイクルさんでフィッティングを受けてもらえればと思う。

「idmatch」はロードバイクを最短で、「より速く、より快適に」してくれるシステムだとフィッティングを受けて感じた。