私も一時期購入を検討していたWahoo KICKR BIKEが2023年3月17日に値下げされた。その値下げ額も11万円とかなり大きく、値下げ後の販売価格は、35万2千円となった。(まだまだ高価なものに変わりはないが)この価格であれば室内トレーニング用として十分検討できるものになったと思う。
今回は値下げされたWahoo KICKER BIKE(WFBIKE1)の性能と、最新モデルWFBIKE3の性能の違い、またスマートトレーナーとの違いを書いていこうと思う。
KICKR BIKEとは?
スピンバイク型スマートバイク
まずKICKR BIKEをご存知ない方もおられると思うので簡単にKICKR BIKEの説明をしたいと思う。KICKR BIKEとはWahooが販売しているスマートバイクだ。見た目の通りバイクトレーニングができるアイテムだが、「スピンバイク型スマートバイク」と呼ばれ簡単にいうと、ロードバイクとスマートトレーナーが一体となったマシンとなる。
Wahooとは?
Wahooは、2009年アメリカで創業開始た企業だ。「すべての人をより良いアスリートに」を掲げアスリートにとって画期的な製品(スマートトレーナー、サイコン、スマートウォッチ)を産み続けている。
代表される製品としては、スマートトレーナー「KICKR」が挙げられるだろう。このスマートトレーナーは私も所有しているが、とても安定感があり、また静粛性に長けている。今では、賃貸暮らしの私には無くてはならない存在となっている。また、バーチャルサイクリング上のスピードや心拍数に応じて風量が変わるスマートファンや、勾配をリアルに再現してくれるKICKR CLIMBなど面白い製品も生み出している。
バーチャルトレーニングをより快適に
スマートバイクは、Zwiftをはじめとしたバーチャルトレーニングをより画期的に行う事ができる。勾配に応じて自動で負荷調節してくれるのは勿論のこと、コースの勾配に連動しマシンもその角度に調整される。また、ERGモードを使えば、狙った強度・負荷を自動で一定にしてくれパフォーマンスを向上させるトレーニングにも一役買ってくれる。
スマートトレーナーとの違い
ロードバイクが不要
スマートトレーナーとの大きな違いは、まず車体(ロードバイク)が不要という事だ。
スマートトレーナーでトレーニングをする場合、ロードバイクの後輪を外し、スマートトレーナーに装着する必要がある。この1手間が地味に面倒だ。
前述の通り私は、WahooのKICKRのスマートトレーナーを所有しているが、後輪を外すのが面倒と思う時が正直ある。特に、リムブレーキ仕様とディスクブレーキ仕様では装着に使うアタッチメントが違うため都度交換する必要がありそれも地味に面倒臭い。
その点、スマートバイクはこれ1つで全てが完結している。ALL IN ONEだ。乗りたい時にマシンに跨がればすぐトレーニングを行う事ができる。
ポジション変更が容易
個人的にこのKICKR BIKEに魅力を感じる部分としてポジション変更が容易という点が挙げられる。試したいポジションを手軽に試す事ができる。
特に、クランク長を変更できるのはとても魅力的だ。実機でクランク長を試す場合、クランク自体を交換する必要がある。その手間と費用はかなり大きく、もしも交換したクランク長が合わなかったダメージは計り知れないだろう。
また、クランクだけで無く調整箇所は、サドル、ハンドルの長さ、トップチューブ、シートチューブ等多く理想のポジションを探す事が実機より容易だろう。
自分のロードバイクのポジションと限りなく近い状態で乗りたい場合は、Wahoo Fitnessアプリで簡単に現在のポジションを計測できる。自分のバイクを撮影してアプリの指示通り各種設定をするだけで簡単に行えるようだ。
シフト構造、ギアも選択可能
ポジションに加えて、シフトレバーのタイプもshimano、SRAM、Campagnoloを選ぶ事ができる。また、フロント、リアのギア数も指定できる。色々な変速機構を試す事ができるし、(私はこちらの方がメリットが大きいと思うが、)ギア、特にリアのスプロケットの設定を変更して色々なコースを試してみたい。
KICKR CLIMB機能もあり
スマートトレーナーのKICKRでは、勾配を再現するには、別売のKICKR CLIMBを購入する必要があったが、KICKR BIKEは単体で勾配の再現もしてくれる機能が搭載されている。(勾配再現:+20%・-15%)
新型KICKR BIKE(WFBIKE3)との違い
スペック比較表
デバイス | ||
製品名 | KICKER BIKE(WFBIKE1) | KICKER BIKE(WFBIKE3) |
価格 | ¥352,000(税込) | ¥594,000(税込) |
最大出力 | 2,200W | 2,500W |
精度 | ±1% | ±1% |
接続 | ①Bluetooth ②ANT + ③ANT+ FE-C | ①Wi-Fi接続 ②Bluetooth ③ANT + ④ANT+ FE-C |
最大勾配 | +20%/-15% | +20%/-15% |
積算走行距離計 | ✖️ | ◯ |
ERG Easy Ramp | ✖️ | ◯ |
キャブレーション | 不要 | 不要 |
サイズ(設置面積) | 121cm x 76cm | 121cm x 76cm |
本体重量 | 42kg | 42kg |
ハンドル幅 | 420mm | 420mm |
負荷方法 | マグネット&モーター | マグネット&モーター |
最大耐荷重 | 113kg | 113kg |
新型・旧型の大きな違いは4つ
出力最大値の違い
旧型の最大出力は2,200Wに対して、新型は2,500Wと300Wほど出力値が高い。よって、無酸素域でのトレーニング強度を高める事ができるが、貧脚の私には正直この最大出力値の違いはさほど大きな差はないと考える。
接続方法にWi-Fiが追加
新型に搭載さたWi-Fi接続だが、Bluetoothの無線接続と比べ数倍は安定すると言われている。トレーニング中にアバターが固まる等の「通信落車」のリスクが大幅に軽減されるだろう。
積算走行距離計の有無
走行距離積算計が新型には搭載されている。
ERG Easy Ramp搭載
新型に搭載されているERG Easy Rampは、何らかの理由でトレーニングを中断した場合、10秒かけてターゲットパワーに戻してくれる機能だ。
例えば、500Wのターゲットパワーでトレーニングをしている途中、なんらかの理由により中断た場合、今までは0スタート時高負荷で中々ペダルを回せなかったが、ERG Easy Rampの搭載されているもですが10秒かけてターゲットパワーに戻してくれるので最初から高負荷状態ではなくなるイメージだ。あったら便利位の機能と私は捉えている。
ホームトレーニングを行うなら旧型で必要十分
新型との性能の差は僅か
前述の通り、新型、旧型の性能の差はほとんどないと言っても良い。(捉え方は人それぞれではあるが。)よって、多くの人にはその価格差から旧型を購入する方が満足するのでないかと考える。新型との価格差は24万と高額で、自分で有れば新型の価格の予算があるので有れば、旧型+ホイール等に投資する方がメリットが大きい気がする。
スマートトレーナーと比べても候補に挙がりそうなKICKR BIKE
KICKR+CLIMBで30万近くに…
現在Wahooより販売されているスマートトレーナー Wahoo KICKRの価格は、¥206,305(税込)である。それに加え勾配の調整がきるWahoo KICKR CLIMBの価格は¥93,500(税込)だ、その価格を合算すると¥299,805(税込)とKICKR BIKEに迫る勢いだ。
それに加えKICKR BIKEは実車不要でポシジョン調整が容易等のメリットを考えるとスマートトレーナーを買うよりKICKR BIKEを買う方が賢い選択になるかもしれない。(と記事を書きながら思った。)
導入しやすいWahoo KICKR COREも有り
正直、近年のロードバイクの価格高騰により私の自転車関係の金銭感覚が麻痺しており、KICKR BIKEを安いという考えは完全に毒されている可能性がある。
念の為、Wahooのスマートトレーナーは前述のKICKRに加えて廉価版のKICKR COREというモデルもある。KICKR COREの販売価格は¥137,500(税込)と手の届きやすい価格帯だ。
念の為紹介しておく。
値下げにより手が届きやすくなったスマートバイク
今回のWahooのKICKR BIKEの値下げは、今までに比べ確実に消費者に近い存在となったと言える。今までその性能に魅力を感じていたもののその販売価格から躊躇していた方もいると思う。今回の値下げでスマートトレーナーとの価格差は約14万円まで迫っている。
また、今回のWahooの値下げによりますますスマートバイクの需要が増え、更に良い製品が納得できる販売価格で消費者に提供してくれることを祈っている。
KICKR BIKE SHIFT発売!!
値下げされていたKICKER BIKE(WFBIKE1)だが、既に完売しているようだ。せっかく安くなったKICKER BIKEを試してみたかったという人も多いだろう。そんな方に朗報がある。KICKER BIKE SHIFTが発売された。
良心的な価格!?
価格はKICKER BIKE(WFBIKE3)の¥594,000に対し¥440,000と約16万ほどの価格差がある。とはいえWF BIKE1よりは高いもののWF BIKE1が売り切れ後選択肢がなかったのでありがたい。
性能は?
性能表を以下にまとめた。ん!?WFBIKE3とほぼ変わらない。そして、WF BIKE1より明らかに性能が良くなっている。実質的なWF BIKE3との大きな性能差は最大出力と負荷制御方式の違いだ。この負荷制御方式が走りにどのように影響するかは乗ってみないと分からないが価格差程の性能差はないのではないかと考える。
デバイス | ||
製品名 | KICKR BIKE SHIFT | KICKR BIKE(WFBIKE3) |
価格 | ¥484,000(税込) | ¥594,000(税込) |
最大出力 | 2,200W | 2,500W |
精度 | ±1% | ±1% |
接続 | ①Wi-Fi接続 ②Bluetooth ③ANT + ④ANT+ FE-C | ①Wi-Fi接続 ②Bluetooth ③ANT + ④ANT+ FE-C |
最大勾配 | +20%/-15% | +20%/-15% |
積算走行距離計 | ◯ | ◯ |
ERG Easy Ramp | ◯ | ◯ |
キャブレーション | 不要 | 不要 |
サイズ(設置面積) | 121cm x 76cm | 121cm x 76cm |
本体重量 | 42kg | 42kg |
ハンドル幅 | 420mm | 420mm |
負荷方法 | 電子制御ブレーキ | マグネット&モーター |
最大耐荷重 | 113kg | 113kg |