みなさんは、「呼吸筋トレーニング」というトレーニング方法を知っているだろうか?
呼吸筋を鍛え身体パフォーマンスを向上させるトレーニングだ。今回は、その呼吸筋トレーニングに使用するデバイス「エアロフィット」についてレビューしてみたいと思う。
エアロフィットとは?
エアロフィットは、デンマークで生まれた呼吸筋トレーニングデバイスである。このデバイスは、病院や救助隊のための医療機器を開発、製造するデンマークの国際的な医療技術企業AMBU(アンブ社)が設計開発したものである。
アンブ社の製品は内視鏡など医療に直結する製品もあるが、救命救急トレーニング用のマネキンなど幅広く医療を支えている会社である。
エアロフィットを使用したトレーニングで得られる効果
呼吸筋を鍛える事ができる
呼吸筋とは、呼吸に使われる筋肉で、主にお腹の中にある横隔膜と助骨の間にある助間筋の事を指す。横隔膜や助間筋も他の筋肉と同じように、負荷を与えトレーニングを行う事により鍛える事ができる。呼吸筋を鍛える事により、呼吸回数を減らす事ができ、エネルギーを温存する事が出きる。
肺活量の向上が望める
肺活量を増やすメリット
スタミナの向上
肺活量が増えると、運動をしても疲れにくくなと言われている。言い換えればスタミナが向上するのだ。スタミナの向上には、「最大酸素摂取量」をアップさせる必要があると言われている。その最大酸素摂取量を増やすには肺活量をアップさせる必要がある。
この記事を読んでいる方の多くは、トライアスロンに興味がある方が多いと思う。トライアスロンは持久系競技の為、スタミナの向上はパフォーマンスに直接影響する要素である。
ダイエットの手助けをしてくれる
これは、前述した「スタミナの向上」の派生にはなるが、スタミナの向上により有酸素運動の時間が鍛える前より長時間行う事え、結果ダイエットの手助けをしてくれる。
免疫力がアップする
現在も、猛威を振るっているコロナウィルスだが、肺活量を増えるとウィルスや細菌などから身体を守ってくれる免疫力を高める事ができると言われている。
肺活量が増えると、身体に取り込める酸素の量が増えるため、体温が上がり血液が促進される。その血液に含まれる免疫細胞が活性化されることで免疫力アップにつながるのだ。
インナーマッスルを鍛える事ができる
エアロフィットでトレーニングを行うと、息を吐ききる時に助骨が下がる事が確認できる。これは、息を吐く際にお腹周りのインナーマッスルである腹横筋や内腹斜筋が助骨を引っ張っている事によるものだ。結果呼吸筋トレーニングを行う事によりインナーマッスルも同時に鍛える事ができる。
エアロフィット・アクティブ基本情報
呼吸筋トレーニングの有用性を説明したところで早速、私が使用しているエアロフィット・アクティブの概要を説明していきたい。
スペック
名称 | エアロフィット・アクティブ |
価格 | ¥11,900(税込) |
素材 | ABS樹脂(本体)、シリコーン(バルブ)、TPE(マウスピース) |
重量 | 45g(本体、マウスピース含む) |
サイズ | 幅7.7×長さ7.0×高さ2.7cm |
製造国 | デンマーク(本体、マウスピース) |
付属品 | 専用マウスピース(本体付属)、クイックガイド(日本語)、クイックガイド(他言語5冊) |
カラー | ブルー、グリーン、ホワイト |
エアロフィットは、アオイロショップという日本正規販売店より購入する事ができる。エアロフィット・アクティブ本体の販売に加えて、専用携帯ケース、交換用マウスピース、アプリで使用時に使用するエアロフィット・スマホ用ミニ三脚などのラインナップもある。
個人的には、専用キャリーケースも一緒に購入することをおすすめする。私は、出張にもこのエアロフィットを持っているが、専用ケースがあればと便利だろうなというシーンが多々ある。
(私自身、キャリーケースを持っていないため使用感はわからないが、専用設計の為使い勝手は良いと思う。)
また、お得なセット(本体、キャリーケース、マウスピース)なども販売されており、複数個購入する場合は更にお得に手に入れる事ができる。購入希望者を募って複数個買うのも賢い選択の1つだと考える。
もしも、周りに3名欲しい人が集まっているのであれば、一番割引率の高いエアロフィット・アクティブ3色フルセットが確実にお買い得だ。生憎私は、1人であったが。。
返金ポリシー
もしも、エアロフィットを購入して満足しなかった場合は、理由を問わず45日以内であれば返金してくれるので、少しでも迷っている方はまず購入してみて、気に入らない場合は返品するという手もある。
使用方法
使用方法については、見出しに簡単にまとめてみた。
- 状態は、座る、立つ、若しくは仰向け状態で行う。
- 抵抗強度を調整する。(IN/OUTのダイヤルを調整)
- エアロフィット本体を口に加え、息が漏れないようにする、
- 専用アプリのガイダンスの元息を吸ったり、吐いたりする。
- 使用後は、マウスピースをぬるま湯で洗う。
使用方法は、とてもシンプルで、習慣化すれば毎日行う事ができる。④のトレーニング方法であるが、自分でメニューを考えられる方は自由に行なって構わないが、専用アプリのメニューを使用したトレーニングを推奨する。その方が何も考えずにトレーニングに集中できるであろう。
専用アプリが秀逸
エアロフィットを語る上で、専用アプリの存在も忘れる事はできない。
この専用アプリはとても秀逸で、呼吸トレーニングを適切に行えるようガイダンスをしてくれる。このアプリにより、3日坊主の人でもアプリを起動し、エアロフィットを手に取れば無理なく継続できると思う。(私も、過去呼吸トレーニングを行なった事があるが、その時は2週間程度しか続ける事ができなかった。今回のエアロフィットは2週間の記録は軽く超え今も継続中である。)
それではアプリの紹介をしてこう。専用アプリは、iPhoneユーザー、Androidユーザーどちらでも展開されている。私は、iPhoneを使用しているのでApp Storeよりダウンロードを行なった。AndroidユーザーはGooglePlayよりダウンロード可能だ。
ユーザー登録後、短いインストラクション動画を経てトレーニングを行う事ができる。
専用アプリトレーニング画面紹介
それでは、秀逸である専用アプリを簡単に紹介していきたい。実際の手順、スマホの画面を使って説明して行く。
1.トレーニングメニューを提示
アプリを開くと、まず今日行うトレーニングメニューが提示される。また、所要時間も記載されている今回のメニューは2分のトレーニングだ。確認したら、「トレーニングを開始する」ボタンで次に進む。
2.強度を選択
次に進むと、強度の設定する画面が現れる。指示された強度にダイアルを設定して、準備できたらスタートボタンを押す。(添付写真はトリミングにより省略)
3.ガンダンスに従ってトレーニングを行う
ガイダンスに従ってトレーニングを行う。トレーニングメニューは多々あるので日によってトレーニングメニューが異なる。また、音声ガイダンスもあるので画面が見れない場合でもトレーニングを行う事ができる。
画面のトレーニングメニューは、①吸う→②吐く→③息を止める✖️8セットであった。
専用アプリを使用する事で、単調なトレーニングになりがちな呼吸トレーニングを常にフレッシュな状態で行う事ができる。
4.自分でトレーニングメニューを選択する事も可能
番外編であるが、アプリのメニューが物足りないときは、自分でトレーニングメニューを設定する事ができる。画面下の「ディスカバー」ボタンを押すと様々なメニューから自分が行いたいメニューを選ぶ事ができる。ディスカバーから選択したメニューは強度も3段階(初級・中級・エキスパート)から選ぶ事ができ、時間も1〜10分の間で任意で選択できるトレーニングもある。
2ステップでトレーニングを行う事ができる手軽さ
紹介した通りアプリ起動後、2ステップでトレーニングを開始できる手軽さが魅力的だ。アプリを開く事さえできれば、継続してトレーニングを行う事ができるであろう。また1回のトレーニングも2分から6分程度の短時間の為、隙間時間にトレーニングを行う事ができる。時間を確保しにくいフルタイムワーカーや忙しすぎてトレーニングできない人にもこの短時間トレーニングであれば気軽に続ける事ができるのでは無いだろうか。
エアロフィットプロ2.0発売(2022年10月追記)
海外では既に販売されていたエアロフィットプロが遂に国内でも発売される事となった。
現行のアクティブと大きく違うところは、スマホとBluetooth接続が出来リアルタイムでトレーニングをガイダンスしてくれたり、肺活量を測定する事ができる。
詳しくは下記記事にまとめてみたのでエアロフィットプロの導入も検討してはいかがだろうか?
パワーブリーズとの比較
ここからはAIROFIT (エアロフィット)と競合製品を比較していきたい。エアロフィットの競合製品と言えば「パワーブリーズ」を思い浮かべる人が多いのではないだろうか。
エアロフィットの購入を検討されている人であれば、当然「パワーブリーズ」も気になっている方が多いであろう。私は「パワーブリーズ」も所有している。所有しているパワーブリーズはパワーブリーズ プラス 重負荷(青)というもので3つのラインナップ真ん中の強度ものである。両者の比較を私なりにまとめていきたいと思う。
私がパワーブリーズを購入したのは、今から2〜3年前だ。
当時の私も、エアロフィットとパワーブリーズどちらを購入するべきか迷っていた。その時、購入の決め手となったのは、「容易に買えるか」であった。私が購入した2〜3年前は、エアロフィットの日本正規販売店は無く、海外から個人で、直接取り寄せる必要があった。一方、パワーブリーズは、ネット通販等で国内で簡単に手に入れる事ができた。
見た目(大きさ)
見た目は個人的な好みであるが、エアロフィットの方が秀逸だと思う。コンパクトであるし色もカッコいい。また、最近国内出張が解禁され出張に行くことも多いが、出張のお供にするのもエアロフィットの方がコンパクトで携帯しやすいデザインといえる。
価格
デバイス購入にあたり価格は重要なファクターであろう。価格については、エアロフィットが、¥11,900(税込)、パワーブリーズが、¥9,900(税込)となっている。エアロフィットの方が¥2,000ほど高い。初期コストを出来るだけ安く抑えたい人にはパワーブリーズをお勧めしたい。
重量
重量については、エアロフィットが39gに対して、パワーブリーズが72gであった。重量差を32gであった。この重量差を気にされる方はそこまで居ないと思うが、実際口に加えるとそれなりに重量差を感じる事ができる。(本体のデザインによるものもあるかもしれない。)
女性の方や子供には、軽いエアロフィットをお勧めしたい。
操作性
操作性は、エアロフィットの方が簡単だ。エアロフィットの調整はダイアルを回すことで瞬時に好みの抵抗にする事ができる。対してパーブリーズの抵抗の調整は写真のダイヤル部分を回して行う。また、吸う、吐く別々の調整ができるエアロフィットに対してパワーブリーズは別々の調整は出来ない。
また、パワーブリーズの場合、軽い抵抗から、重い抵抗に調整し直したい場合ダイアルをかなり回す必要がある。(所要時間は5秒程度であった。)
負荷調整幅
負荷調整幅は、パワーブリーズの方に軍配が上がる。スクリュー式なので無段階で調整が可能だ。対してエアロフィットは、IN(吸う力)、OUT1(吐く力)共に6段階の調整である。但し、パワーブローズの場合目盛を見て調整するのだが、微調整可能な為、前回と全く同じ強度を再現するは難しい。
メンテナンス性
メンテナンス性においてもAIROFIT (エアロフィット)の方が高い。
AIROFIT (エアロフィット)は、日々のメンテナンスについては、トレーニング終了後、マウスピースをぬるま湯ですすぎ、週に一回はマウスピースと本体を食器用洗剤で洗うだけだ。
洗浄の為の本体の分解も3パーツで5秒程度で分解、組み立てが可能だ。
本体を洗浄した後はしっかり水を切ることも忘れてはならない。
対して、パワーブリーズのメンテナンスは少々デリケートである。下記は、公式のメンテナンス法だ。消毒に30分程度のツケおきが必要になる。
本体のパーツ構成も4パーツからなり、エアロフィットと比べ少々分解に時間がかかってしまう。
使用後はぬるま湯で洗い流します。週に2-3回は10分ほどぬるま湯に浸けた後、流水で洗い流してください。余分な水気を取り除き、清潔な場所で乾燥させます。
週1回を目安にぬるま湯のかわりに消毒します。付属の洗浄用タブレットを使用し、30分程度浸けておきます。その後、水道水でよくすすいでから水気を取り除き、清潔な場所で自然乾燥させます。パワーブリーズ専用洗浄タブレットは別途販売しておりますが、哺乳びんに使用するものなどで代用できます。
https://powerbreathe.co.jp/howtouse/ より
日々のメンテナンス性は、デバイスを綺麗に保つ為にとても重要だ。
パワーブリーズは継続する事ができなかった
極論を申し上げると、私の場合パワーブリーズを継続するのは難しかった。購入後1〜2週間は熱心にトレーニングを行なっていたが、どんどん熱が冷めていき、数ヶ月後には箪笥の肥やしになっていた。
なぜトレーニングを継続できなかった考えると、トレーニングの効果が中々見えづらいからだと考える。検索エンジンで「呼吸トレーニング」等調べると「効果」というワードが一緒に調べられている。トレーニングなので効果を知りたいのは当然だろう。しかし、この呼吸トレーニングにおいては中々効果を視覚化するのは難しい。それが、モチベーションの低下を生み出し結果継続が困難になるのであろう。
継続に秘訣は専用アプリ
対するエアロフィットは、苦も無く継続ができている。先ほども書いたが、専用アプリが強度やトレーニングメニューを提案してくれるのが大きいと考える。日々、アプリが提案してくれるトレーニングを黙々と行うだけでパフォーマンスの向上が図れる。
総合的にエアロフィットがお薦め
これまでの、比較を見てもらっても解るかもしれないが私はエアロフィットの方を薦める。それも自信を持って薦める事ができる。しかし、個人的な見解なので意見の1つとして判断してもらえれば幸いだ。
私のエアロフィット活用法
ここからは、私のエアロフィットの普段の使い方を紹介したいと思う。
どこでも持ち歩いて隙間時間にトレーニングを行う
まず、エアロフィットは、場所を選ばずトレーニングを行う事ができるため基本移動するバックの中に放り込んで携帯するようにしている。そして、出張時にもエアロフィットを忍ばせ朝のホテルでトレーニングを行なっている。(この点からも専用キャリー・ケースは個人的にも購入すると思う。)主なトレーニング場所は、始業前の会社のデスク・車で駐車して待機している時・自宅である。本当に数分のトレーニングで携帯していても苦にならない大きさなので重宝している。
出張時も手軽に「エアロフィット」を持っていける
7月中旬に東京へ2泊出張しに行ったが、「エアロフィット」は出張時持っていくモノのレギュラー入りをした。連日の飲みによりバイタルが不安定な時でもランニングは出来なくても呼吸筋トレーニングは行える。
アプリを継続して使用し連続記録を楽しむ
私のトレーニング方法は、専らアプリ頼みだ。日々アプリのメニューを淡々とこなしている。アプリには継続日数なども記録されるためトレーニングをサボって穴を空けないように楽しみながらトレーニングを行なっている。
エアロフィットによる効果(所感)
継続する事が大事
私の所感だが、呼吸筋トレーニングを行なってから、ランニングやバイクトレーニング時の息苦しさが軽減された感じることが多くなったのは本当だ。しかし、それがエアロフィットによる呼吸筋トレーニングのお陰なのか、全体的なパフォーマンス向上によるものなのかは証明する事ができない。ここで全てエアロフィットのお陰と考えるのは時期尚早だ。
エアロフィットによる効果は、中々証明する事が難しいが、1つだけわかっている事がある。それは、呼吸筋トレーニングを行なってマイナスになる要素は無いという事だ。まず大前提として、やらないよりやった方が良い。自分のパフォーマンスを向上させる可能性があるなら尚更トレーニングするに越したことがない。
そして、トレーニングは継続する事が大事と思う。エアロブリーズで挫折した私だが、エアロフィットは継続してトレーニングを行えるデバイスだと考える。
怪我をしていても「呼吸筋トレーニング」は継続できる
私は、腰痛持ちであるが、腰痛が再発するとトレーニングを中断せざる得なくなる。結果、運動出来ないストレス(パフォーマンスが落ちてしまうと思うストレス)と身体に脂肪が溜まってしまう。
呼吸筋トレーニングは腰痛時でもトレーニングを行う事ができたので、運動出来ないストレスとパフォーマンス低下を少しで防ぐトレーニングとして活用が期待できる。
パフォーマンス向上の違うアプローチ=「呼吸筋トレーニング」
トライアスロンを行う上で、タイムを短縮したいと思った時、多くの人が強度の高いトレーニング(インターバル等)や、筋肉強化の為の筋トレ、持久力向上の為のLSDなど取り組むと思う。そのアプローチは正規ルートとして正解だろう。
呼吸筋トレーニングは、そのようなトレーニングに比べて派手さがなく、パフォーマンス向上を体感するのに時間がかかるかもしれない。しかし、トレーニングの新たな形(別ルート)としていち早く取り入れるべきトレーニングだと私は考える。
最後に
今回は、エアロフィットの紹介をさせてもらったが、どこでも隙間時間にトレーニングを行う事ができるのが最大の魅力だと思う。また、日本未発売時からエアロフィットを知っていた私としては、存在を知ってから数年後にこのような形で紹介ができて少し嬉しくもある。
呼吸筋トレーニングは興味を持っていても、中々周りに取り組んでいる人は多くはないと思うので、ぜひ気になった方は記事を参考にしていただき、エアロフィットを手に取ってもらいたい。
セール情報(2023年12月14日更新)
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