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【レビュー】速く走りたい9割のランナーにおすすめしたいランニングシューズasics(アシックス)S4の全て!

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久々に期待値を大幅に超えるランニングシューズと出会ったので紹介したいと思う。

今回紹介するのは、実に6年ぶりに購入したASICSのシューズ”S4″だ。
(S4を購入する前に2023年のトライアスロンの決戦用として同社のMETASPEED SKYを導入しているが、それは一旦割愛させて頂く。)

このS4は今季私のマラソン決戦用シューズになる予定だ。本記事ではS4の魅力やおすすめしたい人、マラソン決戦用シューズに選んだ理由などを紹介したいと思う。

正直なところ私の中でこのS4は、ASICSのランニングシューズの中でも中途半端な存在として認識していた。METASPEEDシリーズの方が速く走れるし、価格もそこまで安くない。

S4(エスフォー)の基本情報

プロダクトコンセプトの解説

S4を紹介する上で欠かせないのが、名前の由来でもあるプロダクトコンセプトだ。S4は文字通り4つのSをコンセプトに開発されている。簡単に説明しておこう。

SPEED(スピード)

1つ目の“S”はSPEEDだ。このS4にもかかと部から前足部に向かってカーボンプレートが搭載されている。このカーボンプレートが前方向へ推進させる効果を発揮しスピードが生み出しやすい構造となっている。

STABILITY(スタビリティ)

2つ目の“S”はSTABILITYだ。S4のシューズの接地面を大きくすることで安定した足運びをサポートしてくれる。

SAFETY (セーフティー)

3つ目の“S”はSAFETYだ。優れたグリップ性を持つASICSGRIPをアウターソール全面に採用している。さらにかかと部のラバーの厚みを、前足部よりも厚くし、かかと接地時のソール摩耗に対応している。

SUB4(サブ4)

最後となる4つ目の“S”はSUB4だ。SUB4はマラソンをしている人は知っていると思うが、フルマラソンを4時間で走ると言う意味を指す。このシューズはサブ4を目指すランナーに適したライド感に仕上がっている。

S4のスペック

メーカーASICS(アシックス)
名称S4(エスフォー)
価格22,000円(税込)
サイズ(ユニセックス)22.5〜29cm
ドロップ6mm
ミッドソール素材上層FFブラストターボ/下層フライトフォームの2層構造
カーボンプレートフルレングス
アッパー素材合成繊維・合成樹脂
アウター素材ゴム底・合成底
カラーDiva Pink/White,Illusion Blue/White,
White/Sunrise Red,Hazard Green/White

シューズ実重量を公開

重量はサイズ28.0cmで246gであった。決して重くはないが、軽くもないと言ったところだろうか。

因みに27.5cmのMETASPEED SKYの重量は205gだ。(0.5cmのサイズアップはあるが)約40gの重量差があった。

サイズ感

サイズ感については、いつものランニングシューズと同じサイズで問題無いと考える。しかしOnのサイズ感と比べると気持ち小さい気もする。普段私は27.5cmのシューズを履いているが、今回敢えて28.0cmにした。

その理由は、今回フルマラソン用という事を前提にしているため長時間のランニングをする事になる。長時間のランニングはできる限り足にストレスを掛けたくないためだ。自分の場合、左足が右足より2mm大きい為、フィッターさんよっては、(27.5cmでも良いけれど)28.0cmを薦められる事もある。従って今回は28.0cmをチョイスしたという訳だ。(ネットで注文したので今回試着はしていない。)

今のところ28.0cmで快適にランニングをしておりサイズ選びに公開は無い。

S4の構造

外観

ミッドソール部分

S4はミッドソールのボリュームが印象的だ。ミッドソールにはハイエンドモデルMETASPEEDと同じFFブラストターボが採用されている。このFFブラストフォームがMETASPEEDと遜色ない反発性を生み出してくれる。

アウトソール部分

アウトソールMETASPEEDと同じく「アシックスグリップ」が採用されている。このアシックスグリップの耐久力の高さはMETASPEED SKYで実証済み。とても信頼できるアウトソールだ。

但し、S4はMETASPEEDとアウトソールの面積が異なる。METASPEEDより面積が広く特かかと部分に広く採用されている。これによりヒールストライク寄りのランナーが使用しても耐久性が上がる。

アッパー部分

アッパー素材は非常に薄く軽量化されている事がわかる。アッパー素材もMETASPEEDと同じものが採用されている。アッパーから靴下が見える位薄い。

ヒールカップ部分

ヒールカップ部分は内側に程よいクッションがあり踵部分には更にクッションが施されており、しっかりと踵を固定してくれると共に靴擦れ防止になっている。踵のクッションにより足が浮腫んだ場合でもしっかりと調整してくれそうだ。

シューレース

シューレースは紐がギザギザしており解け難いものになっている。このような細かいデザインは感心する。

S4の購入の経緯

腰痛再発からシューズを再考

10月に参加したLAKE BIWA TRIATHLON前から腰痛が再発し悩みの種であった。LAKE BIWAは最大級のクッショニング性能を誇るOnのCloudmonsterで臨んだ。結果は正解であった。しかし、フルマラソンで使用する事を考えた場合Cloudmonsterでは物足りない気がしたのだ。だからといって、今のコンディションでMETASPEED SKYを履きこなす自信は無い。ここから自分のマラソン用シューズを探す旅が始まった。

自分の今の走力にあったシューズがS4だった

今回のシューズ選びで大事にしたのは「速く走れるけれど身体にやさそしそうなシューズ」だ。そこで注目したのが、トライアスロンのロングディスタンスで上位層に入っているシューズに着目した。意外とASICSのS4を履いている人が多いのだ。(みやわたweb調べ)そこでS4について色々調べてみたところ良さそうであったのS4を購入してみた。

ASICSがS4を販売した当初からS4の存在は知っていた。しかし、その時は中途半端なシューズだなという印象を持っていた。カーボンプレート入りが欲しいならMETASPEEDを買えば良いし、安定性が欲しいのであればGT-2000のようはビギナー向けのシューズを買えば良いと思っていた。そして値段もその中間あたり。

最初の印象は決して良くは無かったがここにきてS4に出会えたことに感謝をしている。

S4の使用感レビュー

評価 :5/5。

評価:5.0点(5.0点満点中)

要点をまとめると、速く走れるにも関わらず、安定感があり長時間走ることが出来るシューズ、それでいて耐久性も高い、それがS4だ。

ファーストインプレッション

S4は私にとって、METASPEED SKYを履きこなせないコンディションの中で苦肉の策として選んだランニングシューズだ。正直そこまで期待をしていなかった。しかし、実際に履いて走ってみるとその印象は全く違うものになった。

S4を履いてはじめて走った第一印象は、シューズの安定性が凄い!!であった。改めてシューズの安定性の必要性を感じることができたのだ。

思い返せば私が履いてきた歴代カーボンプレートシューズは、ハイエンドモデルばかりでその安定性が基準となっていた。明らかにS4はこれらのシューズより安定性が高い。履いた瞬間に解った。

スピード力と安定性が兼ね備えられているシューズ

第一印象の段階でS4の安定性の高さを感じることができたが、 スピード力(推進力)も兼ね備えているシューズであることもすぐにわかった。このS4もMASICSPEED同様カーボンプレートを搭載している。SUB4ランナー向けに作られているため、多少マイルドな作りになっていると思っていたが、そんな事は無かった。しっかりと踏み込んだ力を推進力に変えてくれた。

また、このS4の凄さは5:00〜6:00/kmで走ってもシューズの恩恵を受けれるという事だ。私の中でMETASPEEDは〜4:15/km位(遅くても4:30/km)で走らないと恩恵が受けれない気がする。しかしS4のターゲットレンジは広く4:00〜6:30/km位まである気がする。

雨の日でも安心のグリップ力

雨の日のランニングでもS4であれば何の問題も無い。このレビューを書くための2回(40km)ほど雨の日のランニングをした。METASPEEDを履いた時も感じたがASICSのランニングシューズのグリップ力はかなり高く安心感がある。グリップ力を確かめるためにあえてマンホールの上やグレーチングの上を走ってみたが、滑ると言う感覚は全く無かった。

アシックスS4の耐久性について

耐久性という点でも、アシックスS4は他の追随を許さないレベルを誇っている。特別な素材と工法で作られたアウトソール(アシックスグリップ)は、摩耗に対する耐久性が優れていて、長時間の使用でもその品質を損なうことはない。写真は100km程度走った時の写真だ。100km程度で耐久性の判断はできないと思うが全然黒いアウトソールが減っていない。しっかりと長く使えることも、このモデルの大きな魅力の一つだ。

METASPEED SKYとの比較

METASPEED SKYは、SETASPEEDシリーズ4種類(EDGE,EDGE+,SKY,SKY+)を試着し実際試走した後に選び抜いた1足だ。この4種類のシューズの履き味にはそれぞれ特徴があったがSKYを選んだ。このMETASPEED SKYとS4との比較を書いていこう。

METASPEED に近い推進力

S4の推進力を生み出すエネルギーは個人的にMETASPEED SKYに近い気がする。決してマイルドではなく本当にそれに近い感覚だ。あくまで体感であるが、METASPEED SKYの反発力を100とするとS4は90はある。履いてSKYと近い感覚があり違和感がなくグイグイ進む印象を受けた。私のようにSKY系は好きな人には問題なくS4は受け入れられると思う。逆に言うとMETASPEED EDGEが好きな方は違った印象を持たれるかもしれない。決して癖が強い訳ではないので気になる人は試着して購入を検討する事をおすすめする。

S4はMETASPEEDシリーズと違いラインナップは1種類しかないため、シューズの味付けは万人受けされるものになっていると思う。

安定性と重量のトレードオフ

SKYと違うと感じた点は、SKYと比べてより安定感があり走っていてストレスを感じないところだ。その反面、シューズ重量はSKYより明らかに重い。より速く走れば走るほどシューズ重量が気になった。よって、安定性と重量がトレードオフの関係にあると感じた。

しかしシューズ重量を感じたペースは3:50〜4:00/kmであったため、自分を含めほとんどのランナーは重量よりも安定性の恩恵を受ける方が多いだろう。

これは独り言だが、2023年6月に参加した「宮トラ」は、METASPEED SKYで臨んだが、脚が持たず使いこなす事ができなかった。過酷なバイクコース後のランニング20kmは今考えるとS4の方が良かったかもしれないと思っている。

S4の適応シーン

個人的にS4の適応シーンについて考えてみた。

各種レース

トライアスロン、マラソン問わずレースで使用したいシューズだ。特にタフなレースにS4は持ってこいと考える。

インターバル走以外の全ての練習

レースをS4で臨む場合インターバル走以外の全ての練習に対応できると考える。具体的に言うと、ジョグに始まり、ペース走、ビルドアップ走、峠走等が挙げられる。インターバル走でも十分使えると思うが、敢えて分けるとするとこのように感じる。

S4をおすすめしたい人

速く走りたいと思っている人(初心者ランナー含む)

9割以上のランナーが対象

まずS4をおすすめしたい人は、速く走りたいと思っている人だ。これには初心者ランナーも含む。このシューズを履いて改めて安定性の大切さを感じたがS4は、ハイエンドシューズにはない安定性を兼ね備えている。ハイエンドシューズは、やはり走り手を選ぶシューズだ。でも、速く走りたい人は自分の走力関係なくハイエンドシューズを選びたくなるものだ。このような衝動に駆られているランナーにS4を強く勧めたい。S4も少し筋力がいるがその向上心があれば必ず履きこなす事ができるシューズだ。

SUB4以上のランナーにもおすすめ

私は今回のマラソンで3時間15〜30分を目標にトレーニングをしているが、METASPEED SKYよりS4の方が良いと感じている。シューズの名前からSUB4レベルのランナーのシューズと思われるかもしれないが、それ以上の走力の人にもおすすめしたいシューズだ。

SUB3以上のランナーはMETASPEEDを

流石にSUB3以上の走力がある人はMETASPEEDシリーズの方が良いだろう。

レースと練習用シューズを同じにしたい人

S4は、ソールの耐久性も高く練習、レースで同じシューズを使用したい人にもピッタリと言える。他の練習用シューズより若干高いもののハイエンドシューズに比べると十分安い価格ため履き潰したとしても懐へのダメージは少ないだろう。

ミドルディスタンス以上のトライアスロン

ミドルディスタンス以上のトライアスロンでも使えるシューズと思う。バイクで脚を使い走力が落ちた身体にはS4の安定性は有り難いと感じるだろう。長期戦の心強い味方になってくれるだろう。

私の来年のプランとして、ショートの場合METASPEED SKY、ミドル以上はS4の布陣で言いたいと考えている。それくらいS4の信頼度は高い。

まとめ

正直、(履く前の)第一印象はあまり良く無かったが、実際履いてみるととても良いシューズという事がわかった。S4を履いて感じた事は、安定性の大切さと自分の走力に合ったシューズを選ぶ大切さだ。

私自身もそうだが、どうしても見栄を張り自分の走力より明らかにオーバースペックなハイエンドシューズを欲しがる傾向がランナーにはあると思う。しかし、それで本当に速く走ることが出来るのか改めて考えさせられるシューズであった。

皆さんも今季マラソン(ランニング)の相棒にしてみてはいかがだろうか?