評価:4.5点(5.0点満点中)
2022年のランニングシューズは、Cloudmonster(クラウドモンター)の一人(足)勝ちだったと言っても過言ではない。On史上最大のCloudパーツが超弩級の感動を与えてくれた。そして、私の周りの人達もCloudmonsterに魅了されて今尚根強い人気がある。
現に、今でも新色カラーが展開されて発売から1年以上経った今でも人気のカラーはサイズによっては売り切れている状態だ。
そんな中、2023年3月23日に発売された「Cloudsurfer」は、「もしかしたらCloudmonsterを超える一足になるのでは?」と何か感じるものがあり購入をしてみた。
早速レビューに移るが、今回はCloudmonsterとの比較も意識して書いてみたので参考にしてもらえるとありがたい。
ファーストインプレッション
まずは、初めて履いて走った時の感想を率直に書きたいと思う。
「明らかに今までのOn(のクッショニング)と違う」
その違いは走ってすぐに分かった。今までOnのシューズは10種類以上履いてきたがそのシューズの違いや特徴は一定の枠組の中での違いであった。昨年大きな感動を与えてくれた「Cloudmonster」でさえもその一定の枠組からは、はみ出してはいなかった。
しかし、今回の「Cloudsurfer」はその一定の枠組から外れた存在といえるほど今までのOnのシューズとは違うものであった。
感動も確かにあるが、正直戸惑いの方が大きかった
0〜5km地点の感覚
評価:3.0点(5.0点満点中)
初めて履いた時の私の評価は3.0点であった。
自称「On愛好家」として、Surferの履き心地は今までの靴と大きく異なり戸惑いの方が大きかったからだ。
「Cloudsurfer」を履いて走った瞬間、すぐに今までのOnのシューズとクッショニングの性質が明らかに違う事が分かった。それは、ある意味感動もあったが、正直戸惑いの方が大きかった。
今までのOnの概念を覆すクッショニングに驚きながら走った事を覚えている。
名前の通り「波に乗る」感覚
5〜10km地点の感覚
戸惑いながらも走っていると、「Cloudsurfer」の特徴が少しづつ解ってきた。今までのクッショニングとは明らかに違うが、そのうちこれはこれでアリという感覚に変わっていった。
「雲」よりも「波」
新しいクッショニングについてだが、名前の通り「波に乗る」イメージが合う。表現に困るが、Cloudmonsterをはじめ今までのOnのシューズは雲の上を走っているイメージ(メーカーもそう謳っていいるが)だ。雲のイメージは人それぞれだと思うが、私のイメージはフワフワしながらも路面は安定しているイメージだ。(ドラえもんの雲固めガスを使用して雲の上を歩くイメージである。)
それに対してCloudsurferは、波(=水)の上を走っているイメージだ。水は雲よりも路面が不安定で変幻自在に変わっていく。その上をスイスイ走るイメージに近い。
イメージという言葉を多用して分かりにくいかもしれないが、それが率直なCloudsurferに対する印象だった。
「Cloudsurfer」のレビュー
100km近くCloudsurferで走るとこのシューズの魅力がどんどん見えてきた。
体へのダメージが少ない
まず、1番に感じた事は、体へのダメージが少ない事だ。Onのシューズに限らず、今まで履いたシューズの中で1番と言っても良い。ソフトなクッションで軽快にランニングを楽しむ事ができる。最近では、リカバリーランをする時は必ずと言っていいほどSurferを使うようになった。
体へのダメージの少なさで言えばCloudmonsterを凌駕するだろう。
軽量の為登りにも対応できる
Surferは、トレーニングシューズの位置付けながら非常に軽い。私はトライアスロンのレースに向けて最近登りのコースを良く走るのだが、走っていてシューズの軽さが良く解る。
距離もグングン伸びる
CloudsurferはOnのシューズを履いた事がない人であれば、クセのない非常に走りやすいシューズだ。ソフトなクッショニングによりジョグペースであればどこまででも走っていけるような感覚になる。10kmのつもりが、楽しくなり20km近くまで走ってしまった事もある。
ターゲットペースは4:30/km〜
あくまでも自分の感覚ではあるが、このシューズのターゲットペースは4:30/km〜だと感じた。勿論キロ3分台で走ることもできるが、高速域になると反発に物足りなさを感じ、逆にソフトなクッショニングの良さを殺してしまう気がした。このシューズでは4:30/kmより遅いペースで走るのがよりこのシューズの良さを感じる事ができるのではないかと考える。
Cloudmonsterに匹敵する位のインパクト
独特なクッショニングの虜に
Surferの虜になると言うことは、独特なクッショニングの虜になると言っても良い。Cloudmonsterの時は、履いた瞬間ヤバいシューズと分かったが、今回のSurferは時間かかったが、結果monster級のインパクトがあるシューズになってると思う。
最大の特徴は、新技術「CloudTec Phase」
最初にレビューを書いてしまったが、今回の独特なクッショニングを生み出しているのは、新技術「CloudTec Phase」のおかげだろう。
クッショニングの新時代の幕開け
明らかに今までのCloudTecとは違う!
「Cloudsurfer」の最大の特徴といえば、新技術「CloudTec Phase」(クラウドテック フェーズ)が採用された事だろう。この「CloudTec Phase」はソールを見て貰えば解ると思うが明らかに今までのCloudTecと構造が異なる。
SPEED BOARD(スピードボード)非搭載
次に、SPEED BOARD(スピードボード)が搭載されていない事も、「CloudTec Phase」の採用と同様に大きな特徴といえる。SPEED BOARD(スピードボード)は、着地時に生まれるエネルギーを利用して推進力を生み出す構造であるが、今回はそのSPEED BOARD(スピードボード)がないためよりソフトな履き心地となっている。
「CloudTec Phase」で推進力もしっかり確保!
SPEED BOARD(スピードボード)の廃止により推進力が無くなった訳ではないので安心して欲しい。「CloudTec Phase」がドミノ倒しのように次々と潰れて連動する事によりローリング動作とストライドの移行を実現しエネルギーリターンを確保している。SPEED BOARD(スピードボード)の廃止は前述した軽量化にも貢献している。
「Cloudsurfer」のスペック
基本情報
メーカー | On(オン) |
名称 | Cloudsurfer(クラウドサーファー) |
価格 | 18,480円(税込) |
重量 | 245 g(公式HPより) |
ドロップ | 10mm |
ミッドソール | 新技術CloudTec Phase |
テクノロジー | 順繰りに圧縮するCloudパーツ |
カラー(メンズ)4種類 | Creek | White,White| Frost, All|Black, Flame|White |
カラー(ウィメンズ)4種類 | Creek | White,White| Frost, Heather|White, All|Black |
重量を実測
明らかに「Cloudmonster」より軽量
Cloudsurferは、Cloudmonsterより軽量だ。これは、手で持った瞬間に分かった。実測ベースで同じ27.5cmのでの重量は、Cloudsuerferは241gで、Cloudmonsterが283gである。42g程Cloudsuerferの方が軽量だ。
そして、見た目以上に軽量
毎回、見た目のボリュームに比べ軽量だという文章を書いている気がするが今回は頭1つ抜けて「見た目のボリュームに比べ軽量」だ。前述しているが、SPEED BOARD(スピードボード)の廃止も軽量化に貢献している。
「Cloudsurfer」の外観
ミッドソール部分
データ分析で最適化されたソール
「CloudTec Phase」は、1つ1つの穴の大きさや角度が違う事が解る。これは、デジタル解析ツールでデータ分析をした結果に基づきデザインされたそうだ。
ソフトなミッドソール
ミッドソールの素材は、Onが独自に開発したオリジナルフォームであるHELLION SUPERFORM(ヘリオンスーパーフォーム)が使用されている。このフォームは、新しいものではなく、今までのOnのシューズ(Cloud Flow等)にも使われている。このミッドソールは手で押さえ込むと簡単に潰れてしまうほどソフトに仕上がっている。
Cloudmonsterとの比較
Cloudmonterの最大の特徴であるCloudTec®︎の大きさ。今回採用されたCloudTec Phaseとは明らかに構造が違う事が解る。そして、ソールを手で押してもCloudTec Phase見たく空間が簡単に潰れる事はない。
アウトソール部分
より小石が挟まりにくそうなデザインに
Cloudmonsterのレビュー時にも書いたが、Onシューズあるあるなのが、アウトソールのデザインからランニング中小石がアウトソールに挟まる事があった。Cloudmonsterのアウトソールのデザインでも小石が挟まりにくくなっていたが、今回のアウトソールのデザインは更にそのリスクが低くなったといえる。100km走った時点で、まだ1回も小石は挟まっていない。
また、アウトソールに使用されている素材も従来より変更されており(と思う)そのパターンもCloudmonsterのソールと比較すると一新されている事が解る。
アッパー部分
アッパー構造は2層構造
写真ではアッパーの素材は分厚く見えるかもしれないが、Cloudmosnterと同等で通気性は寧ろCloudsurferの方が高いと感じた。
アッパー構造は2層構造となっており、アッパー部(外側)はメッシュ加工がしてある。この構造はCloudmonsterと一緒であるが、よりメッシュの穴の大きさが大きい為通気性はCloudmonsterより高いと感じたのであろう。これから暑くなる季節にぴったりといえる。
シュータンは分厚くホールド感が高め
シュータンについては、Cloudsurferの方が分厚く通気性はCloudmonsterに軍配が上がる。しかしCludsurferの分厚いクッション性のあるシュータンは履き心地は抜群だ。
ヒールカップ部分
ヒールカップは、アッパー素材と同素材でCloudmonsterより厚みがある。いつもながらスイスの国旗がデザインを引き立てている。ヒールカップの側面にデザインされているOnのマークは反射材が使用されており夜間のランニングに配慮されている。
全体的なデザイン
デザイン性は個人的にはmonsterの方が高い
全体的なデザインは個人的にはCloudmonsterの方が好みだ。Cloudsurferの側面のOnのロゴデザインはひと昔前に戻った印象を受けた。
Cloudsurferのシュータンのロゴデザインはかっこいい
全体的なデザインはひと昔前に戻った印象を受けるが、シュータンのロゴデザインで一気にデザインが締まりカッコ良く見えるから不思議だ。上から見ると一周回ってカッコ良く見える。
サイズ感
サイズ感については、いつものランニングシューズと同じサイズで問題ないと思う。今のことろ違和感は全くない。
このシューズをオススメする人
ランニング初心者
これからランニングを始める人にピッタリの足
まず、このCloudserferを誰に履いて欲しいか考えた時思い浮かぶのは、「ランニング初心者」または「これからランニングを始めようと思っている人」だ。私の感覚では、このCloudsurfer以上に優しいクッショニングの靴を知らない。
ランニングによる身体への負担は最小限に抑える事ができると思うし、ランニングが楽しいものだと言うことを教えてくれるだろう。
速く走るよりも楽しく走るシューズ
このシューズは、速く走る事もできるが、速く走れば走るほどシューズの良さが失われる気がした。ターゲットペースの時に書いたが、4:30/kmより遅いペースがこのシューズの持ち味を発揮できると感じている。よって初心者であればあるほどこのシューズの恩恵が受けれると考えている。
リカバリーシューズを探している人
普段トレーニングしている人でもCloudsurferの使い道は十分あるといえる。それはリカバリーランを行う場合だ。私は強度の高いトレーニングを行なった翌日はリカバリーランをすることが多いがその時必ずこの「Cloudsurfer」を履くようになった。
このシューズが1番身体にに負担がかからないことを無意識に誘っているのだろう。
Onシューズ愛好家
Onシューズ愛好家にもこのシューズの評価をしてもらいたい為に手に取って欲しい。
正直、賛否両論あると思う。私も今までのOnらしくないクッショニングに最初は戸惑ったが、今ではOnの新たな挑戦と受け止め、寧ろその新感覚のクッションニングに好感を持っている。
最後に
クッショニングの新時代突入
Onが好きであるが故に、今回のCloudsurferのクッショニングには驚いた。今までのOnのクッショニングとは全く別物なのだ。新しいものは、はじめは受け入れられないものだ。それが今まで完成されていたものであればあるほどに。
このCloudsurferもCloudTec Phaseが採用された初めてのシューズで賛否両論あると思う。しかし、履けば履くほどに良さが見えてきたシューズであった。将来的にはこのCloudTec PhaseのクッショニングがOnのスタンダードになるかもしれない。
Onのチャレンジ精神にも脱帽
Onの特許技術である「CloudTec」と「SPEED BOARD」はほぼ完成されたものであったと私は思っているが、ここにきてこの技術を採用せず新たな「CloudTec Phase」で挑戦をしたOnのチャレンジ精神にも脱帽だ。このよなうチャレンジ精神のあるブランドは好意が持てるし応援したくなるものだ。
そして、自分も常にチャレンジ精神を忘れないように生きて行かなければならないと再認識した。そんな色々な事を考えさせられる1足だった。(まとまったのか!?)
On公式サイトでも購入可能
Onのシューズやアパレルは、【On(オン)公式】 でも購入可能だ。
私もOn公式で購入するときがある。個人的にはアパレルの種類が実店舗や大型ECサイトより豊富なため良く活用している。また、ラストチャンス(過去シーズンのアイテム)で自分のサイズがあればかなりお得にOnのアイテムを手に入れる事ができる。
私は過去、スウェット、ランニングパンツ、タイツ等セール価格で購入する事ができた。シューズのサイズの在庫が豊富なことやサイズが合わない場合返品・交換が可能なことも【On(オン)公式】 の強みだ。
公式サイトはこちらから↓↓