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【初心者向】ロードバイクの走りを左右するホイール性能の違いとは?

ロードバイクのホイール性能とは?

ロードバイクの走行性能は、フレームとホイールによって決まると言っても過言ではない。軽量で、しかも耐久性や剛性に優れたホイールは、より速く確実に走行するための重要な要素であり、いかに優れたホイールを選ぶかがライダーのパフォーマンスを左右すると言っても良い。本記事ではホイールの性能を深掘りし、その決定要素や一般的な特性、そして基本知識について解説していきたと考えている。

ホイール性能の決定要素

ホイール性能の決定要素は大きく分けて「重量」「剛性」「空気抵抗」の3つである。ホイールの重量は走行時の快適性や上り坂でのパフォーマンスに直結し、軽量なホイールほどライダーの力を素早く速度に変えやすくなる。次に剛性だが、これはホイールが歪まず力を逃がさないことを意味する。剛性が高いホイールはペダルを踏んだ力がそのまま地面に伝わり、走行効率が向上する。最後に空気抵抗だが、これはホイールの形状やリムハイトにより変化する。流線形のデザインやリムハイトの高いホイールは空気抵抗を減らし、高速走行に適しているといえる。

ホイールの3つの種類

ホイールの性能の前にホイールのタイプについても触れておこう。ロードバイクのホイールには、タイヤのタイプにより「クリンチャー」「チューブレス」「チューブラー」の3つの種類に分ける事ができる。

クリンチャー(チューブド)

クリンチャーは最も一般的なタイプで、タイヤの内側にチューブを入れその中に空気を溜める構造だ。メリットとしては、パンク修理やタイヤの交換が比較的簡単ということと、タイヤの種類が豊富という点だろう。

デメリットとしては、他の種類より空気圧を高めに設定しないといけないため、乗り味が硬めになることと、空気圧が低くなるとリム打ちパンクと呼ばれるパンクのリスクが高まる事だ。チューブレスと比べ重量が重くなると書かれている記事もあるが、重量については軽量チューブを使えばそこまでの重量差は生まれない。(むしろ軽い場合もある。)

チューブレス

チューブレスは、タイヤとホイールをしっかり嵌める事でチューブ無しでも空気圧を保つ事が出来る。リム打ちの心配が無いためクリンチャーより空気圧を下げる事ができ、転がり抵抗が低く、良く乗り心地も良い点がメリットだ。また、パンクのリスクもクリンチャーより低く、万が一パンクをしてもクリンチャーのように一気に空気が抜ける可能性も低い。

デメリットは、クリンチャーよりタイヤの脱着が困難な場合が多いこと。よって、いざ外出先でパンクするとクリンチャーより修理に時間を要す。また後述の「チューブレス・レディ」の場合はシーラントを入れる必要がある為、パンク時やタイヤ交換時に液体が飛び散る恐れもあり、シーラントを定期的に交換する必要がある。

現在、「チューブレス」と「チューブレス・レディ」の2種類が存在する。「チューブレス」は完全なチューブレス対応している構造(クリンチャー対応負荷)、「チューブレス・レディ」は完全なチューブレスではないものチューブレスにも対応しているという構造だ。(クリンチャーにも対応可。)

チューブラー

チューブラーは、タイヤとチューブが一体化したチューブラータイヤをリムの上に接着する構造だ。リム構造がシンプルな為軽量で転がり抵抗も低い。また、パンクのリスクも低くチューブレス同様パンクをしても急激に空気が抜けにくい。

デメリットとしては、タイヤが高価な点。安価な製品もあるが1本1〜2万円が相場だ。そして、パンクをして交換が必要な場合タイヤごと交換が必要なため、1回のパンクで大きな出費が予想される。また、扱いが初心者には難しいと言える。リムにタイヤを接着させるだけだが、貼り付けにコツがあったり、タイヤ交換の際はリム面に残った接着剤を掃除する必要があったりと慣れるまで時間がかかる。

ホイールの材質と性能

アルミホイールの特性

アルミホイールは、その軽さと耐久性から、ロードバイクのホイールとして多く使用されている。価格帯も広く、カーボンホイールより一般的に安い。一般的にエントリーグレードからミドルグレードの完成車に多く採用されている。

アルミ製ホイールのメリットは、コストパフォーマンスと耐久性だ。カーボンホイールと比べると衝撃などに強く気軽に使う事が出来る。よって、ホイールを気を使う事なく練習からレースまで幅広く使用する事が出来る。また、リムブレーキであればリム面の摩擦(熱)を気にする事なくブレーキが出来るのもメリットの1つといえる。

デメリットといえば、カーボンホイールより重量が重くなることと、リム形状のデザインが限られる事だ。

リムブレーキ仕様の場合、雨天時のブレーキの効き具合もアルミホイールの方がカーボンホイールより勝る場合が多い。私も雨天時リムブレーキのロードバイクで参戦した時は、フロントアルミホイール、リアカーボンホイールで臨んだ時もあった。

カーボンホイールの特性

カーボンホイールの最大の特徴は、軽さと高い剛性を併せ持つことだ。軽量ながらも高い剛性を有することで、加速性能や高速域での安定性に優れている。また、設計の自由度が高く、目的に特化したホイールが作りやすい。ヒルクライム専用ホイールだとリム重量を最大限軽量化したものであったり、高速巡航用のディスクホイールや、ディープリムホイールなど使いたいシーンに応じて使い分けをすることができる。また、リム形状も波型などデザインの自由度も高い。このことからも一般的にアルミホイールより高性能といえる。

しかし、カーボンホイールのデメリットとしては、価格が高いことが挙げられる。そのため、予算や使用状況を考慮して選ぶ必要がある。

ホイールの形状と性能

リムハイトの高いホイールの性能

50mm以上のリムハイトの高いホイールは通称ディープリム呼ばれる。リムハイトが高いほど、ホイール全体の剛性が上がり、直進性が高まる。また、高いリムハイトが動くホイールの空気の流れをスムーズにし、その負荷を軽減してくれる。これは、高速で走行する際、また、高速域を維持する際に重要な要素となるため、ロードレースなどスピードが求められる競技でよく用いられる。しかしながら、反面、高い剛性は振動を吸収しにくいというデメリットも持っている。従って、路面状況が悪い場所で使用すると乗り心地が悪化する可能性がある。また、リムハイトが高いほど風の影響を受けやすくなる。特に、横風が強い場合、制御が難しくなる可能性があるので取り扱いにスキルを要する。また、見た目からもわかるが通常のリムハイトのものより重量が重くなるため、高速域に達するまでのエネルギーは多くなってしまう。

リムハイトの低いホイールの性能

一方、リムハイトの低いホイールは、リムが浅いことから、ディープリムと比較すると全体的に軽量で、また振動を吸収しやすいという特徴がある。これにより、不整地や荒れた路面での乗り心地を重視する乗り手、または長時間にわたるライドに適している。また、加速力はディープリムより優れており、街中のようなストップ&ゴーの多い場所や傾斜角が高いヒルクライムなどではメリットが大きい。そして、風の影響を受けにくく、制御性にも優れている。しかしながら、リムが浅いほど直進性や剛性が低く、高速域でのスピードを維持のが難しくなるというデメリットがある。一般的に、スピードよりも乗り心地や耐久性を重視する場面で選ばれることが多い。

フォルムと性能の関連性

こうしたホイールのフォルムと性能の関連性を理解することは、自分の走行状況や目的に合わせたホイール選びに非常に役立つだろう。ディープリムと浅リム、それぞれの特性を知ることで、自分が何を重視するか明確になり、さらにその選択が走行性能や使い心地にどのように影響するのかを理解することができるだろう。ホイール選びは奥深く、複雑な要素が絡み合う領域だが、一方で自転車の楽しみを大きく左右する重要なポイントでもあるといえる。

ホイールの重さと性能

次にホイールの重量の違いによるメリット、デメリットを説明したいと思う。この説明では、軽量、重いホイール共にノーマルリムハイト(30mm以下)前提の説明をしている。

軽量ホイールのメリットとデメリット

メリット

軽量ホイールの大きなメリットは上りでの走行性能がアップすることだ。完成車についているホイール(通称:鉄下駄)を変えた場合その走りの違いに驚くことだろう。しかし、ホイールの軽量化によるメリットはそれだけではない。漕ぎ出しが楽になり、非常加減速がスムーズに行えてたりする。漕ぎ出しが楽になるという事は、街中での信号によるストップ&ゴーが楽になる。よって通勤でもロードバイクを使用される方は軽量ホイールの恩恵を享受できるだろう。また、テクニカルコースは、スピードの加減速が大きくなるため軽量ホイールの方が有利に働く場合もある。

また、トライアスロンレースでのシーンでは考えにくいが、上りでのアタックやスプリントでの反応の良さも軽量ホイールのメリットだろう。

デメリット

デメリットは、高速巡航に弱くなるという事だ。漕ぎ出しの軽さはメリットである一方高速域に達してしまうと巡航維持は常に脚を回す必要がある。(常にパワーを注ぎ込むようなイメージ)また、耐久性軽量化を追求するあまり、材質や構造が薄くなり、衝撃に対する耐久性が低下しがちだ。そして、軽いホイールは安定性が低く、特に高速走行時には揺れ易いという特性もある。そして、価格が高い点も大きなデメリットだろう。

軽量ホイールを選ぶ場合に注意してほしいのは、ホイール全体の重量を見るのでは無く、リム重量に注目して欲しい。リム重量(外周部)の軽量化は、ハブ等の中央部と比べて効果が約2倍あるといわれている。

重いホイールのメリットとデメリット

メリット

対照的に、重いホイールは車体の安定性を向上させる。その質量が持つ慣性の力により、ホイールが路面との接触を確保し、車体の安定性を高める。また、重いホイールは耐久性にも優れています。一般的に厚みがあり、固く作られているため、衝撃を吸収しやすく、破損に強いという特性がある。そして軽量ホイールより価格が安い。

デメリット

重量ゆえに加速性能に悪影響を及ぼす。質量の大きいホイールは漕ぎ出しにパワーを必要とする。また、確実な走行安定性を得られる一方で、曲がりづらさを覚えるかもしれない。

同じリムハイトであれば当然軽量ホイールの方が性能は高くなる。空気抵抗が低く巡航維持のしやすい軽量ホイールが1つのホイールの完成形といえるだろう。

重さと性能のバランス

最終的に、ホイールの重さと性能のバランスは使用する状況と好みそして予算による。

また、ホイールの乗り味は人それぞれ好みがあるので、自分の好みを解っておくとホイール選びが楽になるかもしれない。私自身も過去ライダー達の評判が良いホイールを買ってみたが、好みと違いすぐ手放した経験もある。

(同じリムハイトの場合)重さと性能、そして価格はトレードオフの関係であるため、ホイール選びはそれぞれの走行スタイル、条件に合わせて慎重に選んでほしい。

ホイール選びのポイント

自分の目標に合わせたホイール選び

目標とは具体的には、たとえばスピードを上げたい、長距離を快適に走りたい、オフロードを攻めたいなど、乗り手のニーズによるものだ。例えば、レースで速さを追求するのであれば、軽量で空気抵抗の少ないエアロ型ホイールが適している。一方、長距離を快適に走るためには、乗り心地を重視したホイールが必要だ。荒れた道でもしっかりとした走行性を保つためには、頑丈なホイールが求められる。つまり、自分がどんな目標を持っているのか、その目標にどのタイプのホイールが適しているのかを理解することがポイントとなる。

トライアスロンでのホイール選び

私が、初心者の方にトライアスロンで使用するホイールを提案するとしたら、リムハイト40〜45mmのセミディープと呼ばれるカーボンホイールだ。(15万円以上のものが望ましい)良くも悪くもこれ1つでどのようなコースでも対応できる。安価でリムハイトが高いモデルを購入すると重量増によるデメリットによりメリットが感じにくい場合があるので注意が必要だ。

リムハイトの高いホイールは見た目がカッコいいが、使いこなすにはそれなりのパワーを要すため、セミディープくらいの空力と軽量のバランスの良いモデルが良いと考える。パワーに自信がある人は50mm以上のディープリムでも良いだろう。

トライアスロンのレースで速く走りたい場合は、ミドルグレード以上のホイールを購入することを薦めたい。(20万〜)予算がない人はしばらく完成車についているホイールで我慢してでも、良いホイールを購入した方が最終的に満足できると思う。

予算によるホイール選び

ホイール選びにおいて、予算も大きな要素だ。高級なホイールほど性能は良いが、その性能を十分に引き出せるのは上級者であり、初心者が高級ホイールを使ってもその性能を発揮できないこともある。(しかし、予算があるのであれば高級ホイールを買っておくに越した事はない。)また、高級ホイールは、1つ1つのパーツも高く交換する際もそれなりの費用を要すため、その点も考慮に入れる必要もある。

しかし、逆に値段が安すぎるホイールは品質が低く、安全性に問題があることもあるので注意が必要だ。特に、信頼性の低いメーカーのカーボン素材の軽量ホイールは注意してほしい。そのため、あなたのスキルレベルや頻度、目標などを考慮して、予算内で最もコストパフォーマンスの高いホイールを選ぶようにしてみてほしい。