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トライアスロン用バイクヘルメットに求められる性能と選び方

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 トライアスロンのバイクパートで必ず着用するヘルメット。今回はトライアスロン用ヘルメットに求められる性能と選び方について説明していきたい。そして、私がオススメするヘルメットも紹介したいと思う。

 トライアスロンを始めるにあたり、ロードバイクと同じタイミングで購入する必要があるヘルメットだが、私はヘルメット選びに悩んだ記憶がある。内容は、ロードバイク用ヘルメットを購入するべきか、トライアスロン専用ヘルメットどちらを購入するかだ。

 レースに参加するにあたり一人だけ恥ずかしい思いをしたくない(みんなトライアスロン専用ヘルメットなのに1人だけロードバイク用ヘルメットを着用している等)という思いだった。

 そのような悩みを持つ方は少ないかもしれないが、ヘルメット選びに困る人が少なくなるように今回の記事を書いていきたい。

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初心者の方はロードバイク用ヘルメットでOK

ロードバイク用ヘルメットが主流

 結論から言うと、トライアスロンで使用するからといって、トライアスロン専用ヘルメットを購入する必要はない。むしろ、ロードバイク用ヘルメットを装着しているの方が多く、トライアスロン用ヘルメット(クローズドエアロ)を装着している人の方が少数派だ。

みやわた

これで、当時の私の悩みは解決!

競技レベルが高い人ほど専用ヘルメットの着用率が高い

 専用ヘルメットの方が空気抵抗が少く設計されているので速く走る事ができる。よって、タイム重視であれば、専用ヘルメットの着用が望ましい。しかし、快適性はロード用ヘルメットより劣るためバイクパート中は我慢が必要だ。

 競技レベルが高い人ほど専用ヘルメットを装着している率が高い。

トライアスロン用ヘルメットの種類

 ヘルメットの種類について紹介して行きたい。ヘルメットには大別すると4種類ある。

エアロヘルメット(トライアスロン、TT専用)

 トライアスロン専用ヘルメットと言えばこのエアロヘルメットになる。トライアスロンだけでなくTT(タイムトライアル)にも使用される。

 そのフォルムは独特で横から見ると水滴のような形のものが多い。ヘルメットの中で最も空気抵抗が少なく設計され速く走る事ができる。その代償に、ヘルメット重量が重く、ベンチレーションも無いものが多い為快適性が落ちる。

セミエアロヘルメット(トライアスロン、TT専用)

 快適性と空気抵抗をバランス良く取り入れたヘルメットになる。エアロヘルメットに比べ空気抵抗力は劣るもののベンチレーションも確保されている為、ある程度快適に着用できる。

ロードバイク用エアロヘルメット

 ロードバイク用のエアロ性能が高いヘルメットも各メーカーから出ている。セミエアロヘルメットより快適性が増しますが、反面、空気抵抗力も落ちる。普段使いとレースで着用するヘルメットを変えないのであればこのロードバイク用エアロヘルメットを購入することをお勧めする。

ロードバイク用ヘルメット

 一般的なロードバイク用ヘルメットが1番快適に着用する事ができる。但し空気抵抗力は1番低い。また、ベンチレーションの多さから軽量なモデルが多い為、ヘルメットの重さが気になる方は普通のロードバイク用ヘルメットの購入をお勧めする。レースで着用しても何も問題無い。

トライアスロン用ヘルメットに求められる性能

安全性能

 大前提として、ヘルメットは安全上着用するアイテムの為安全性能が高いモデルを購入した方が良いと言える。

MIPS(ミップス)

数年前より安全機能「MIPS(ミップス)」搭載のヘルメットが数多く出ている。このMIPS(ミップス)とは、Multi-directional Impact Protection Systemの略称で多方面からの衝撃を保護するシステムです。ヘルメットの内側に低摩擦レイヤーが入っており、ヘルメットに衝撃が加わった時にヘルメットのレイヤーが動き衝撃を緩和してくれる機能です。

 構造まで把握する必要は無いのでMIPS(ミップス)機能がついているヘルメットは無いものより安全と言うことを認識していれば問題ない。

ANGI CRASH SENSOR (ANGIクラッシュセンサー)

▲私の愛用しているヘルメットにもANGIセンサーが装着されている

 スペシャライズドより開発されたANGIセンサーは、アプリと接続する事で事故を感知したらGPS座標を緊急連絡先へ自動で送付してくれるシステムだ。勿論手動で緊急先送付をキャンセルする事が出来るので、必要がない時はキャンセルできる。

 スペシャライズドのヘルメットの中にはこのANGIセンサーが標準装備されているものもあるが、センサーのみの販売もあるので、お気に入りのヘルメットにも装着することができる。

WaveCel(ウェーブセル)

 ボントレガーから開発された革新的な安全テクノロジーで、構造体が崩れる事によって衝撃を吸収する事で前述のMIPSより安全性を主張している。しかし、構造体がヘルメット内部に入っているため、ヘルメット重量はMIPSよりも重くなる。

 また、このWave Celの機能については、MIPSは懐疑的な見方をしているようでどちらがより安全かは現時点で立証できていない。因みにプロライダーはWaveCelの着用率は低い。ヘルメット重量簿増加が原因だと考えられる。

Point

安全性を考慮するとMIPS搭載ヘルメットの購入が無難。他にもメーカー独自の安全テクノロジーを展開しているところもあるので安全性能には注目して選んでほしい。

エアロ性能

 エアロ性能は、バイクパートの時間を短縮できる要因の1つだ。ヘルメットを流線形にする事で空気抵抗を減らして速く走れるようになっている。

快適性・通気性

 エアロ性能と、快適性は表裏一体だ。エアロ性能を上げれば快適性が損なわれる。逆に快適性を上げればエアロ性能が損なわれる為、バランスを見ながら自分が納得する範囲で折り合いをつける必要がある。

 ロングディスタンス以上で使用するヘルメットは快適性・通気性も十分考慮して選んだ方うが良い。

トランジションの速さ

▲マグネット式なので近づけると勝手に「カチャッ」とはめてくれる

 ロードレースとトライアスロンは同じバイク競技でも明らかに違う事がある。それは、トランジションの有無だ。トライアスロンはスイムアップからバイクパートが始まる繋ぎの部分がある。この時間は勿論レースタイムに加算されるため、トランジションの速さもヘルメット選びの1つの要因になる。

 では、具体的にはトランジションの速さに直結するヘルメットはどのようなものかというと、ヘルメットを止めるバックルの着けやすさである。意外とヘルメットのバックルを装着するのは手こずると時間がかかってしまう。ヘルメットの中にはマグネット式のバックルが装備されいるものがあるので、そのようなヘルメットを購入するとトランジションがスムーズに行える。

おすすめヘルメット

 今回は、初心者の方が迷った時に購入すれば良いヘルメットを選んでみた。練習用からレースまで幅広く使用できるものを選んだ為ロードバイク用エアロヘルメットの紹介となる。

AERO-R2TR(OGK kabuto)

Photo:OGK kabuto

 

メーカーOGK kabuto(オージーケーカブト)
名称AERO-R2TR
価格24,200円
重量
安全性能JCF(公財)日本自転車競技連盟公認
バックルマグネット
カラーマット ホワイト/マット ブラック
発売日2022年夏発売

 まず、紹介するのはOGK kabutoのAERO-R2TRだ。このAERO-R2TRトライアスロンに特化したモデルである。通常のAERO-R2とはバックルの構造が違いマグネット式となっている。また、エアロ性能の高くマグネット式で脱着できるシールドも装備さているのが特徴だ。そして、OGK kabutoは日本メーカーの為、日本人の頭に良くフィットする。生憎発売は2022年夏予定の為現在未発売だ。予約を受け付けているところもあるので、急がない人はこのAERO-R2TRが発売されるまで待っても良いかもしれない。

 発売まで待てな方は、現行モデルのAERO-R1TRという手もある。このモデルも人気が高く私の周りでも使用されている方が多い。

値段を抑えたい当方は通常バックルにはなるがAERO-R1という選択肢もある。モデル末期という事もあり1万円代から購入できるショップもあるようだ。

UTOPIA(KASK)

Photo:KASK
メーカーKASK(カスク)
名称UTOPIA
価格31,900円
重量235g ※Sサイズ(公式HPより)
安全性能JCF(公財)日本自転車競技連盟公認
MIT
バックル通常型
カラーORG FLUO/BLK、WHT/BLK、
BLK/YEL FLUO、BLK MATT、
RED/BLK、ASH/BLK、BLK/WHT
発売日2018年

 KASKから販売されているUTOPIAは独特のフォルムが美しい。性能も折り紙つきで、ロードレースのプロチーム「NEOS Grenadiers」も使用している。カラー展開も多数あるのも嬉しい。

 KASKのヘルメットには独自の安全テクノロジーMITが適用されている。このMITはシェルの上部から後部のベースリングまでをポリカーボネートの層でカバーし、より高い安全性と保護性能を備える事が出来るようだ。

 残念ながらバックルは通常型であるが、エアロ性能とカラーバリエーションそして安全性能部分からおすすめの1つに挙げた。

Ignite(SMITH)

Photo:SMITH
メーカーSMITH(スミス)
名称Ignite
価格39,600円
重量310g※Mサイズ (公式HPより)
安全性能JCF(公財)日本自転車競技連盟公認
MIPS
高衝撃吸収コロイド素材採用
バックル通常
カラーBlack / Matte Cement
Matte Cinder Haze
発売日2019年

 SMITHより発売されているエアロロードヘルメットIgnite。個人的には今一番気になるヘルメットだ。まず、ベンチレーションが大きく取られているので内部の冷却効果の高さが期待される。また、発売当時市販されているヘルメットの中で、最も空気抵抗の少ないデータも出ているようだ。(データ取得時の環境によるので参考程度)いずれにしてもエアロ性能の高さも期待できそうだ。

 ネックとなるのは重量だが、その反面安全性能の高さが際立つ。2回ほど自転車で事故をしている私としては安全性能部分も無視できない。1つはMIPS。MIPSの説明は前述の通りだ。2つ目はコロイド素材の使用。転倒時最も衝撃が加わる箇所にコロイド素材を配置し頭部への衝撃を極限まで吸収してくれるようだ。このコロイド素材はSMITHが特許取得中だ。

 へルメット前部にアイウェアを確実に固定できるデザインも自分の中では評価が高い。

 ロードバイク用ヘルメットとしては値段が高いので購入に少し勇気がいるがとてもカッコいいヘルメットだ。

S-WORKS EVADE II MIPS(SPECIALIZED)

                                 Photo:SPECIALIZED
メーカーSPECIALIZED(スペシャライズド)
名称S-WORKS EVADE II MIPS
価格33,000円
重量297g Mサイズ (参考値)
安全性能JCF(公財)日本自転車競技連盟公認
MIPS
バックルマグネット
カラー通常カラー8種/限定カラー2種
発売日2018年

 私が現在使用しているヘルメットが、今から紹介するS-WORKS EVADE II MIPSだ。実はこのEVADE II、Shiv Discを購入する前から愛用している。

 まずは、通気性。エアロロードヘルメットに関わらず通気性が良く頭内部はとても快適だ。真夏のトライアスロンレース時でも不快に感じた事はない。

 重量については、軽量ヘルメットに比べると確かに重いが、体感出来るほど重くは無い。バックルがマグネット式なのがトランジション短縮に繋がるため嬉しい。

最後に

 今回は、トライアスロン用バイクヘルメットに求められる性能と選び方について紹介した。色々と書いたがまずは、安全性の高いアイテムを選んでほしい。その上でエアロ性能や機能を検討した方が良い。

改めて調べてみるとヘルメットの値段も年々高くなっている。しかし、安全性能が脆弱な安いアイテムを購入するのはおすすめしない。命を預けるアイテムであることを認識してしっかりと考えて購入するアイテムを選んで欲しい。