レビュー

【レビュー】最強の履物!? 人間本来の走りを目覚めさせるワラーチ

ランニングのパフォーマンスの底上げにはやはり「フォームの改善」が必要だ。私はオフシーズン時に「フォームの改善」を意識してトレーニングをするようにしている。そこで使用するシューズもフォームの改善を手助けしてくれるものを選んでいる。

みやわた

なかなか簡単にフォームを変える事は出来ないが意識するのが大事!

第1弾は、以前紹介させて頂いたアルトラのエスカランテレーサーだ。このシューズは「ゼロドロップ」でシューズを履きながらにしてベアフットに近いランニングを再現する事ができる。

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今回はフォーム改善シューズ第2弾として、ワラーチを紹介したいと思う。

ワラーチ基本情報

「ワラーチ」という単語を初めて聞いた人もいると思うのでワラーチについて簡単に説明していきたい。語源やルーツなどを理解してワラーチを使うと愛着が湧いてくる。

ワラーチとは?

ワラーチは、メキシコの先住民タラウマラ族が履いているサンダルの事だ。このタラウマラ族、現地の言葉で「走る民族」を意味する「ララムリ」とも呼ばれているようで、長距離走の能力に秀出ている民族として有名だ。あるウルトラマラソンの大会では、このワラーチを履いて2位と大きく差を広げ1位になったといわれている。

みやわた

ワラーチで20km走るのも辛いのに凄すぎて言葉にならない….

タラウマラ族は日常的にワラーチを履くことで、人間に適した走り方を自然と身につけているのだ。そして多くのランナーがこのワラーチに注目しここ最近大きな話題を集めている。

ワラーチの語源

ワラーチの語源は、日本の草鞋「わらじ」とされている説もあるようだ。本当に日本の草鞋「わらじ」が語源であったら面白い。私達が知っている草鞋も実は足にはとても優しい履き物なのだったのかもしれない。

また、メキシコ先住民の「kawarachi」が語源とされている説もある。サンダルという意味のようだ。

タラウマラ族とは?

個人的にタラウマラ族の暮らしが気になったので少し調べてみた。あまり多くの文献は出てこなかったので分かる範囲で書きたいと思う。

暮らし

渓谷で生活する中で自然と山道を走るという事をするようになり「走る民族」となった。

また、タラマラ族同士で走るレースを行なったり家畜を取り合ったりすることで走るということを重要な文化として守り続けているようだ。

食事

主食はトウモロコシと豆。他には野菜・果物がメインで動物性のものはあまり取らないようだ。

食事は、スポーツのパフォーマンスを大きく左右する要因だ。一概には言えないが普段動物性タンパク質を多く取る私には耳が痛い。バランスが大事なのだろう。

余談だが、非公式ながらフルマラソン2時間切りを達成したエウリド・キプチョゲも摂取するエネルギーの6〜7割は炭水化物という覚えもある。また、東京オリンピック金メダルでオリンピック2冠圧巻でした。

オリジナルワラーチ紹介

RUN+オリジナルワラーチ

▲RUN +のオリジナルワラーチ

私は「RUN+」さんで販売されているオリジナルワラーチを使用している。

このオリジナルのワラーチは店主の方が1足づつ手作りされておられる。紐部分のパターンは数種類あるので自分の気に入った紐を選びオリジナル感を出すことが出来る。私は、迷彩柄の紐を選んだ。

価格は¥7,700-とランニングシューズを購入するよりリーズナブルだ。

構造は至ってシンプル

構造は本当にシンプルだ。普通の草履のようにソールと紐のみだ。最近流行りの厚底シューズの真逆を行く構造だ。

アウトソールは適度な弾力と衝撃吸収性が特徴のVibram® MORFLEXが使用されている。

▲3箇所シューグーで補強している。

紐の調整が終わったらシューグーでソール面の紐の保護をすると長持ちする。

めちゃくちゃ軽量

重量は軽量シューズを軽く凌駕する85g(27.0cm)だ。(笑)

持っても、走っていても本当に軽い!!

ワラーチを履いて走るメリット

人間本来のランニングフォームに矯正する事ができる

私がワラーチを取り入れた最大の理由になるがランニングフォームの矯正をする事が出来る。

烏滸がましく人間本来のランニングフォームと言っているが、人間にとってエコノミーな走り方と同義とある。体の真下に足が着地するランニングフォームが理想だ。

理想的なランニングフォームを目指す上で足の着地は非常に重要なのだ。

ワラーチを履くと自然と体の真下に足が着地するフォームが身に付いてくる。理由としてはクッション性のないアウトソールで長く、速く走ろうとすると必然的に足の衝撃を和らげる必要があり、結果そのフォームが体の真下に足を着地するフォームになるからだ。強制的にフォームが矯正されるのだ。

私もワラーチを履いてランニングをして3ヶ月経つが、15km以上走ると足が痛くなるので、ランニングフォームを改善する必要があるようだ。とにかくワラーチを履いて走りまくるしかない!

上級者になると、ワラーチでフルマラソンや、ウルトラマラソンも完走できるようになるみたいだがその道のりは遠い。

裸足で走る事ができる

裸足で走る事ができるのは、思っている以上にメリットだ。

「靴下を履く」という行為が無くなる事でランニングがもっと身近になる。

本当に思いったったらワラーチを履いてすぐ走る事ができるのです。

また、雨天時のランニングもワラーチであれば気兼ねなく走る事ができる。シューズが濡れる心配も靴下が濡れて嫌な感じになることも無い。私は、雨の日はランニングをすることを躊躇っていたが、ワラーチを履いてからは雨天時のランニングが増えた。

場所を選ばずにランニングができる

出張時でも

出先でランニングしたい場合でもワラーチをカバンに忍ばせていればどこでもランニングをする事が出来る。見た目通り嵩張らないし、靴下も不要な為出張時のお供に最適だ。

トレランも

私はあまり推奨しないが、トレランも出来る。前回の出張時は、意図に反してワラーチを履いてオフロードコースに突入してしまいトレランになってしまったが走れなくは無かった。

海辺の砂浜でも

また、海辺のランニングでもワラーチは活躍する。砂で足が汚れても舗装路に出る前に水でワラーチを吐いたまま洗えば問題ない。

ワラーチを履く際の注意点

すぐに長距離を走らない

まず、気をつけてもらいたいことが、ワラーチを履いてすぐに長距離を走らない事だ。慣れずに長距離を走ると故障の原因になってしまう。まずは、1kmのジョグ程度から始めて徐々に距離を延ばしてみると良い。今まで如何に靴のサポートを受けていたか痛感すると思う。

焦っても、逆に故障するリスクがあるため身体と相談しながら走ってみてほしい。

筋肉痛が出ても諦めない

始めてワラーチを履いた殆どの人が筋肉痛になると思う。私もワラーチランニングの後は筋肉痛に襲われた。筋肉痛になるのは、今までのランニングに時に使用していなかった筋肉が使われている証拠で同時にランニングフォームが矯正されている事になる。

中々筋肉痛になると分かっていてワラーチを履くことは億劫かもしれないが、未来のランニングフォームが改善された自分の姿を思い浮かべて履き続けてみてほしい。

足が慣れるまで諦めない

筋肉痛と同時に、最初は足が慣れてないので、痛みや、紐が指に食い込み(特に鼻緒)負傷するかもしれない。これも、履き続ければ慣れて来るので諦めないで履き続けてほしい。

ワラーチを履くのを躊躇っている方にお勧めのシューズ

ワラーチやベアフットランニングには興味があるけど、ワラーチランニングは少し不安という方は次に紹介するシューズを検討してみてほしい。

ワラーチ同様の恩恵を受けつつ、ワラーチより導入しやすいアイテムを選んでみた。

ルナサンダル

ルナサンダルは、ワラーチを少し(本当に若干)シューズ寄りに近づけたものになる。作りもしっかりしていて、プラスチックのバックル等使用してあるので紐の調整も簡単に出来る。紐もワラーチよりも面があるのもが使われているので履き心地はワラーチより上だ。

私の周りにもルナサンダルを愛用している人が多く、非常に人気のサンダルだ!!

ルナサンダルの種類

ルナサンダルといっても実は数種類のラインナップがある。簡単にどんな種類があるか説明したいと思う。

Venado 2.0

ルナサンダルの中で一番スタンダードなタイプ。1番軽量でアウトソールの厚さも薄いモデルになる。そして1番ワラーチに近いモデルだ。ワラーチの既成版といったところだろう。私は購入するならこのモデルを薦める。

Leadville Trail 

グリップ力が強くトレイルランニングにも耐え得るモデルだ。トレランでもサンダルを履いて走りたい人はこのモデルを購入すると良い。

Mono Winged Edition

アウトドアでの冒険や日々のトレーニング、旅行、ラウンジ、キャンプなど、どんな場面でも活躍する最も汎用性の高いサンダルだ。

ビブラムファイブフィンガーズ

V-RUN

V-RUNはロード用のベアフットシューズになる。このシューズは自分も所有しており2018年頃にランニングフォームを見直す時に使用していたランニングシューズだ。レビューは過去の記事を参照していただければ幸いだ。まだ現役で使用している。

私のランニングシューズ履歴書 前編(2016〜2018年)私が購入してきたランニングシューズをその年の走力別に紹介していきます。...

V-TRAIL

ファイブフィンガーズにハマった時にV-RUNとほぼ同時に購入したV-TRAIL。名前の通りトレイルランニング専用設計モデルとなる。V-RUN同様足を鍛えられる感じはかなりある。

ワラーチはある程度走力がついてからでOK

今回はワラーチについて記事にしてみた。

魅力の多いワラーチだが、身体への負荷が大きい為ランニング初心者の方はまず普通のシューズで走る事にに慣れてからの導入を薦める。ワラーチは確実にランニングフォームの改善になるためタイムに伸び悩んでいる方や、楽にランニングをしたい人はぜひ導入を検討してみてほしい。